小規模オフィスのビジネスフォンはどれがおすすめ?種類別の費用と選び方を解説
社員数名の事務所や小さな店舗でも、会社の電話をどう用意するかは悩みどころです。「家庭用の電話機で十分なのか」「ビジネスフォンは大げさではないか」と迷い、自社の規模に合う電話の形がわからないという声は少なくありません。
小規模オフィス向けには、電話機数台に対応した小型のビジネスフォンのほか、ホームテレホンやクラウドPBXなど複数の選択肢があります。人数や働き方によって向いている方式は変わるため、費用だけで決めると導入後に使いにくさを感じることもあります。
この記事では、小規模オフィスにビジネスフォンが必要かどうかの判断基準、選択肢となる種類と特徴、選び方、費用相場、規模や業種ごとの構成例、導入時の注意点までを順に解説します。
まずは、検討時によく出る3つの疑問への答えを表で確認してください。確認したいポイントをクリックすると、該当する見出しへ移動します。
目次
- 小規模オフィスにビジネスフォンは必要?
- 家庭用電話機との違い
- 家庭用電話機で足りるケースとビジネスフォンが必要なケース
- 「小規模」の目安
- 小規模オフィス向けビジネスフォンの種類
- 小型主装置タイプのビジネスフォン
- ホームテレホン
- クラウドPBX
- IP電話やスマートフォンの活用
- 小規模オフィスでのビジネスフォンの選び方
- 電話機の台数と同時通話数を決める
- 働き方にあわせて固定電話中心かスマホ中心かを決める
- 必要な機能を絞り込む
- 増員や移転を見込んで拡張性を確認する
- 小規模オフィスのビジネスフォン費用相場
- 小型主装置タイプの初期費用
- クラウドPBXの初期費用と月額費用
- 新品・中古・リース・レンタルの選び方
- 規模・業種別のおすすめ構成例
- 1〜3名の事務所・個人事業主
- 4〜10名程度のオフィス
- 飲食店・小売店などの店舗
- 外回りの多い営業・不動産会社
- 小規模オフィスで導入するときの注意点
- 回線と電話番号を先に決める
- 停電やネット障害時の対応を確認する
- 導入スケジュールに余裕をもつ
- 保守・サポート体制を確認する
- まとめ
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 小規模でもビジネスフォンは必要? | 2人以上で電話を受けるなら導入を検討 | 1回線を1人で使うなら家庭用電話機でも対応できますが、取り次ぎや内線が必要なら小型のビジネスフォンが便利です。 |
| 小規模向けの選択肢は? | 小型主装置・ホームテレホン・クラウドPBX | 固定席中心なら小型主装置、ごく少人数ならホームテレホン、外出や在宅勤務が多いならクラウドPBXが主な候補です。 |
| 導入費用の目安は? | 電話機3台の新品で20万〜40万円程度 | 主装置・電話機・工事費の合計です。中古なら大きく抑えられ、クラウドPBXは初期費用が低い代わりに月額費用がかかります。 |
この記事でわかること
- 小規模オフィスにビジネスフォンが必要かどうかの判断基準
- 小型主装置・ホームテレホン・クラウドPBXなど選択肢ごとの特徴
- 台数・同時通話数・機能・拡張性から考える選び方
- 小規模オフィスでのビジネスフォンの費用相場と導入方法
- 規模・業種別の構成例と導入時の注意点
小規模オフィスにビジネスフォンは必要?
結論からいうと、2人以上で会社の電話を受ける、または電話を取り次ぐ場面があるなら、小規模オフィスでもビジネスフォンの導入を検討する価値があります。一方で、1人で1回線を使うだけであれば、家庭用の電話機で足りるケースもあります。
家庭用電話機との違い
家庭用電話機は、1本の回線に親機と子機をつないで使うのが基本です。これに対してビジネスフォンは、主装置を介して複数の外線と電話機をまとめて管理し、内線通話や保留転送、代表番号での着信などができる仕組みです。
たとえば家庭用電話機では、子機で受けた電話を別の人に回す操作が限られていたり、2本目の回線を使うと電話機の数が増えて管理しにくくなったりします。ビジネスフォンなら、どの電話機からでも空いている外線を使って発着信できるため、少人数でも電話対応の効率が大きく変わります。
家庭用電話機で足りるケースとビジネスフォンが必要なケース
家庭用電話機で足りるのは、次のような場合です。
- 代表者1人で電話を受けていて、取り次ぎがほとんどない
- 電話の回線が1本で、同時に2件以上の通話をすることがない
- 内線通話や通話録音などの機能を使う予定がない
反対に、複数の社員で代表番号の電話を受ける、担当者へ電話を回す、同時に複数の外線を使うといった場面がある場合は、ビジネスフォンのほうが使いやすくなります。事業の拡大を予定している場合も、早めに導入しておくと後の入れ替えを防げます。
▼関連記事:ビジネスフォンのメリット7選|家庭用電話機との違いとデメリットもわかりやすく解説
「小規模」の目安
中小企業基本法では、製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は従業員5人以下の事業者を「小規模企業者」と定めています(参考:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」)。
ビジネスフォンの検討では、この法律上の区分よりも電話機の台数と同時に使う外線の数が目安になります。一般的には、電話機が1〜10台程度、外線が2〜4回線程度の構成を「小規模向け」と考えると、機種やサービスを選びやすくなります。
小規模オフィス向けビジネスフォンの種類
小規模オフィスで候補になる電話の形は、大きく分けて小型主装置タイプのビジネスフォン、ホームテレホン、クラウドPBX、IP電話やスマートフォンの活用の4つです。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
小型主装置タイプのビジネスフォン
各メーカーは、電話機数台から10台程度までを接続できる小規模向けの主装置を用意しています。NTTの「αZXⅡ」シリーズの小規模向けモデルや、サクサの「PLATIA」シリーズ、ナカヨの「NYC」シリーズなどが代表的です。
内線、保留転送、留守番電話、通話録音など、ビジネスフォンの基本機能をひととおり使えるのが強みです。通話がインターネットの混雑に左右されにくく、オフィスの固定席で電話を受けることが多い会社に向いています。一方で、主装置の設置や配線の工事が必要です。
▼関連記事:ビジネスフォンの主装置とは?役割と仕組み・価格相場・選び方と交換時期を解説
ホームテレホン
ホームテレホンは、家庭用電話機とビジネスフォンの中間にあたる電話システムです。もともとは大きな住宅向けに作られたもので、少ない外線と数台の電話機で内線や転送を使えるのが特徴です。
機能は小型のビジネスフォンより絞られていますが、そのぶん導入費用を抑えやすく、自宅兼事務所や2〜3人の事務所などで使われています。ただし、接続できる外線や電話機の数が少ないため、増員の予定がある場合は注意が必要です。
また、ホームテレホンは家庭での利用を想定した製品が多いため、ビジネスフォンと比べると業務向けの保守サービスや対応できる業者が限られることがあります。導入する場合は、故障時にどこへ相談できるかも確認しておきましょう。
クラウドPBX
クラウドPBXは、主装置の役割をインターネット上のサーバーが担う方式です。社内に主装置を置かないため配線工事がほとんど不要で、スマートフォンやパソコンを内線端末として使えます。
外出先や自宅でも会社の番号で発着信できるため、外回りの多い会社や在宅勤務を取り入れている会社と相性がよい方式です。一方で、利用人数に応じた月額料金がかかり、通話品質はインターネット回線の状態に左右されます。
IP電話やスマートフォンの活用
050から始まる番号のIP電話アプリや、携帯電話の転送サービスを組み合わせて、ビジネスフォンを置かずに運用する方法もあります。初期費用をほとんどかけずに始められるのがメリットです。
ただし、050番号は固定電話番号に比べて取引先からの信頼感で劣ると感じる人もいます。また、サービスによっては110番や119番などの緊急通報ができない場合があります。開業直後の仮の手段として使い、事業が軌道に乗ったら固定番号とビジネスフォンに切り替えるという考え方もあります。
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小規模オフィスでのビジネスフォンの選び方
小規模オフィスでは、大企業向けのように多機能な構成は必要ありません。「今の業務に必要な分」と「数年後に必要になる分」を見極めることが、費用を抑えながら使いやすい電話環境をつくるポイントです。
電話機の台数と同時通話数を決める
最初に決めたいのが、電話機の台数と、同時に外線で話す数(チャネル数)です。電話機の台数は社員数ではなく、電話を受ける席や場所の数で考えます。全員の席に電話機を置く必要がない場合は、共有の電話機を置くだけで足りることもあります。
同時通話数は、一般的に従業員数の3分の1程度がひとつの目安とされています。たとえば社員6名であれば2チャネル程度です。ただし、問い合わせの電話が多い業種や、FAXを同じ回線で使う場合は、目安より多めに確保しておくと話し中を防げます。
電話機の台数や同時通話数を決めるときは、1日の電話件数や、電話が集中する時間帯も振り返ってみましょう。朝や昼休み明けに着信が重なる業種では、平均より多めのチャネル数を確保しておくと、取りこぼしを防げます。
働き方にあわせて固定電話中心かスマホ中心かを決める
社員がオフィスにいることが多く、固定席で電話を受ける会社なら、小型主装置タイプのビジネスフォンが使いやすいでしょう。通話の安定性が高く、操作にも慣れやすい方式です。
反対に、外出や在宅勤務が多く、オフィスに誰もいない時間がある会社なら、スマートフォンで会社の番号を受けられるクラウドPBXが向いています。小型のビジネスフォンにスマートフォン連携の機能を加える方法もあるため、両方を組み合わせる選択肢も検討しましょう。
必要な機能を絞り込む
小規模オフィスでよく使われる機能は、内線通話、保留転送、留守番電話、通話録音、着信の転送などです。実際の電話対応を思い浮かべて、使う機能だけを選ぶと、機種やプランの費用を抑えられます。
たとえば、少人数で不在になる時間が多いなら留守番電話や携帯電話への転送、電話での注文や予約が多いなら通話録音が役立ちます。受付や倉庫など席を離れて電話を受ける場所がある場合は、コードレス電話機を組み合わせると便利です。
▼関連記事:ビジネスフォンの子機とは?コードレス電話機の種類と増設方法・費用の目安を解説
増員や移転を見込んで拡張性を確認する
小型の主装置やホームテレホンは、接続できる電話機や外線の数に上限があります。導入時の人数ぴったりの機種を選ぶと、社員が増えたときに主装置ごと入れ替えが必要になることがあります。
今後2〜3年の採用計画や事務所の移転予定を業者に伝え、余裕のある容量を選んでおきましょう。人数の増減が読みにくい場合は、利用人数に応じて契約を変えやすいクラウドPBXも候補になります。
▼関連記事:ビジネスフォンの選び方|失敗しない機種選定と導入のポイントを徹底解説
小規模オフィスのビジネスフォン費用相場
ビジネスフォンの費用は、方式、電話機の台数、新品か中古か、工事の範囲によって大きく変わります。ここでは一般的な目安を紹介しますが、実際の金額は必ず見積もりで確認してください。
小型主装置タイプの初期費用
小型主装置タイプの初期費用は、主に主装置、電話機本体、設置・配線工事費の3つで構成されます。電話機3台を新品で導入する場合、合計で20万〜40万円程度がひとつの目安です。
電話機の台数が増えるほど、電話機代と工事費がかさみます。中古品を選べば、機器代を新品の数分の一に抑えられることもありますが、保証期間や交換部品の有無は必ず確認しましょう。導入後は、回線の基本料金と通話料、必要に応じて保守料が毎月かかります。
▼関連記事:中古ビジネスフォンの価格相場と選び方|メリット・デメリットと失敗しない購入のコツ
クラウドPBXの初期費用と月額費用
クラウドPBXは主装置や配線工事が不要なため、初期費用を数万円程度に抑えやすいのが特徴です。スマートフォンを端末として使う場合は、電話機の購入費もかかりません。
その代わり、利用人数に応じた月額料金がかかります。1ユーザーあたり月額数千円程度のサービスが多く、通話録音や自動音声応答などのオプションを加えると料金が上がります。3〜5年使った場合の総額で小型主装置タイプと比べると、判断しやすくなります。
新品・中古・リース・レンタルの選び方
小型主装置タイプの導入方法には、新品購入、中古購入、リース、レンタルがあります。長く使う予定なら購入、まとまった初期費用をかけずに新品を使いたいならリース、数か月だけ使うならレンタルが向いています。
ただし、リースは原則として中途解約ができず、設立直後の会社では審査に時間がかかる場合もあります。小規模オフィスでは、中古の購入で初期費用を抑えるという選択も現実的です。利用予定の期間と予算に合わせて比べてみましょう。
▼関連記事:ビジネスフォンのリース契約とは?仕組み・料金相場・メリットと注意点を解説
▼関連記事:ビジネスフォンのレンタル料金相場|リース・購入との違いと向いているケースを解説
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規模・業種別のおすすめ構成例
ここでは、小規模オフィスでよくあるケースごとに、電話の構成例を紹介します。自社に近いケースを参考に、必要な台数や方式を考えてみてください。
1〜3名の事務所・個人事業主
電話を受けるのが主に代表者本人である場合は、ひかり電話と家庭用電話機、または外線2本程度のホームテレホンで十分なケースが多くあります。外出が多いなら、携帯電話への転送やクラウドPBXのスマートフォンアプリを組み合わせると、電話の取りこぼしを防げます。
士業の事務所など、取引先からの信頼を重視する業種では、固定の電話番号を持っておくと安心です。
FAXを使う業種であれば、電話とFAXで回線を分けるか、同じ回線で使うかも決めておきましょう。同じ回線を使う場合は、FAXの送受信中に電話がつながらなくならないよう、チャネル数に余裕をもたせておくことが大切です。
4〜10名程度のオフィス
複数の社員で代表電話を受け、担当者へ取り次ぐ場面が増える規模です。電話機4〜8台、外線2〜4チャネル程度の小型主装置タイプが基本の構成になります。
社員の一部が外回りをする場合は、小型のビジネスフォンにスマートフォン連携を加えるか、クラウドPBXを選ぶと、オフィスと外出先の両方で会社の番号を使えます。今後の増員予定も踏まえて主装置の容量を決めましょう。
電話対応を担う事務スタッフがいる場合は、その席の電話機を多機能なものにし、他の席はシンプルな電話機にするなど、席ごとに機種を使い分けると費用を抑えられます。
飲食店・小売店などの店舗
店舗では、予約や問い合わせの電話を、レジや厨房、バックヤードなど離れた場所で受けることが多いのが特徴です。据え置きの電話機1台に、コードレス電話機を組み合わせる構成が使いやすいでしょう。
営業時間外の電話には、留守番電話や営業時間を案内する音声メッセージで対応できます。電話での予約が多い場合は、聞き間違いを防ぐために通話録音の機能も役立ちます。
外回りの多い営業・不動産会社
社員が外出していることが多い会社では、オフィスの電話が鳴っても誰も出られないという状況が起こりがちです。クラウドPBXで社員のスマートフォンを内線化すれば、外出先でも代表番号の電話を受けたり、社員同士で転送したりできます。
事務所に常駐する社員がいる場合は、据え置きの電話機を1〜2台置き、残りをスマートフォンで運用する構成も現実的です。
小規模オフィスで導入するときの注意点
小規模オフィスでは、電話に関する担当者がいないことも多く、導入後に困ってから気づく点も少なくありません。契約前に次の4点を確認しておきましょう。
回線と電話番号を先に決める
ビジネスフォンを選ぶ前に、どの回線を使い、どの電話番号で発着信するかを決めておくことが大切です。市外局番から始まる固定番号を新しく取得するのか、今の番号を引き継ぐのかによって、選べる方式や手続きが変わります。
事務所の移転に伴って導入する場合は、移転先の住所によって今の番号を引き継げないこともあります。現在の回線を解約する前に、番号を継続できるかを業者に確認してください。
停電やネット障害時の対応を確認する
光回線を使うひかり電話やクラウドPBXは、停電やインターネットの障害が起きると電話が使えなくなることがあります。小型の主装置も、電源がなければ動きません。
電話が止まると業務に大きな影響が出る業種では、携帯電話への転送や無停電電源装置(UPS)など、非常時の代替手段を用意しておくと安心です。
導入スケジュールに余裕をもつ
小型主装置タイプのビジネスフォンは、相談から利用開始まで数週間から1か月程度かかるのが一般的です。光回線の新規開通や電話番号の取得が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。
開業日や移転日が決まっている場合は、1〜2か月前を目安に相談を始めると安心です。クラウドPBXは比較的短期間で使い始められますが、番号の取得や端末の準備に日数がかかる場合もあるため、早めに確認しておきましょう。
保守・サポート体制を確認する
小規模オフィスでは、電話の設定変更や故障対応を社内で行える人がいないことがほとんどです。故障時の連絡先、対応時間、訪問までの目安を契約前に確認しておきましょう。
回線、電話機、工事をそれぞれ別の会社に頼むと、トラブルのたびに問い合わせ先を探す手間がかかります。回線から機器、工事まで一括で相談できる業者を選ぶと、導入後の管理も楽になります。
▼関連記事:ビジネスフォンの工事内容と費用相場|必要な資格・当日の流れと業者選びのポイント
まとめ
小規模オフィスでも、2人以上で電話を受ける、担当者へ取り次ぐ、同時に複数の外線を使うといった場面があれば、ビジネスフォンの導入を検討する価値があります。1人で1回線を使うだけなら、家庭用電話機やホームテレホンで足りる場合もあります。
選択肢には、小型主装置タイプのビジネスフォン、ホームテレホン、クラウドPBX、IP電話の活用があります。固定席中心なら小型主装置、外出や在宅勤務が多いならクラウドPBXというように、人数と働き方にあわせて選ぶことが大切です。
費用は、電話機3台の新品で20万〜40万円程度が目安ですが、中古やリース、クラウドPBXを選べば初期費用を抑えることもできます。数年後の増員や保守体制まで含めて比較し、自社の規模に合った電話環境を整えましょう。
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