ビジネスフォンの種類を比較|レガシー・IP-PBX・クラウドPBXの特徴と選び方
ビジネスフォンを導入・入れ替えしようと調べ始めると、「レガシー」「IP-PBX」「クラウドPBX」など、さまざまな言葉が出てきます。どれが自社に合うのか判断できず、検討が進まないという方も多いのではないでしょうか。
ビジネスフォンの種類は、主装置をどこに置き、どの回線で電話をつなぐかによって分かれます。種類によって初期費用や月額費用、工事の有無、向いている働き方が大きく異なるため、特徴を理解してから選ぶことが大切です。
この記事では、ビジネスフォンの3つの種類とそれぞれの特徴、メリットとデメリット、費用の違い、自社に合う種類の選び方に加えて、電話機・回線・導入方法の種類までを順に解説します。
まずは、検討時によく出る3つの疑問への答えを表で確認してください。確認したいポイントをクリックすると、該当する見出しへ移動します。
目次
- ビジネスフォンの種類は大きく3つ
- ビジネスフォンの基本的な仕組み
- 種類を分けるポイントは「主装置の場所」と「つなぎ方」
- 3種類のビジネスフォンの特徴
- レガシータイプ(従来型ビジネスフォン)
- IP-PBX
- クラウドPBX
- ビジネスフォンの種類ごとのメリットとデメリット
- レガシータイプのメリット・デメリット
- IP-PBXのメリット・デメリット
- クラウドPBXのメリット・デメリット
- ビジネスフォンの種類ごとの費用の違い
- 初期費用の違い
- 月額費用の違い
- 5年程度の総額で比べる
- 自社に合うビジネスフォンの種類の選び方
- 働き方で選ぶ
- 拠点の数で選ぶ
- 会社の規模と将来の増員で選ぶ
- 使いたい電話番号と回線で選ぶ
- 運用やサポートの体制で選ぶ
- ビジネスフォンの電話機の種類
- 多機能電話機(据え置き型)
- コードレス電話機
- スマートフォン・ソフトフォン
- ビジネスフォンで使う回線の種類と注意点
- ひかり電話などの光回線
- アナログ回線・ISDN回線
- ビジネスフォンの導入方法の種類
- 新品・中古で購入する
- リース・レンタルで導入する
- まとめ
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| ビジネスフォンの種類は? | レガシー・IP-PBX・クラウドPBXの3つ | 主装置を社内に置く従来型、社内のLANで電話をつなぐIP-PBX、インターネット上のPBXを使うクラウドPBXに分かれます。 |
| 種類ごとの費用の違いは? | 主装置型は初期費用、クラウドは月額が中心 | レガシーとIP-PBXは機器と工事の初期費用が中心です。クラウドPBXは初期費用が低い代わりに、利用人数に応じた月額費用がかかります。 |
| 自社に合う種類の選び方は? | 働き方・拠点数・規模の3点で判断する | 固定席中心ならレガシー、複数拠点の内線化ならIP-PBX、外出や在宅勤務が多いならクラウドPBXが有力な候補です。 |
この記事でわかること
- ビジネスフォンの3つの種類と、それぞれの仕組み・特徴
- 種類ごとのメリット・デメリットと費用の違い
- 働き方・拠点数・規模から考える自社に合う種類の選び方
- 多機能電話機・コードレス・スマートフォンなど電話機の種類
- 回線の種類と、新品・中古・リース・レンタルなど導入方法の違い
ビジネスフォンの種類は大きく3つ
ビジネスフォンの種類は、大きくレガシータイプ(従来型)、IP-PBX、クラウドPBXの3つに分けられます。まずは、ビジネスフォンの基本的な仕組みと、種類を分けるポイントを確認しておきましょう。
ビジネスフォンの基本的な仕組み
ビジネスフォンは、主装置(PBX)と呼ばれる交換機が、外線と内線を制御する仕組みの電話システムです。主装置があることで、複数の電話機で外線を共有したり、内線通話や保留転送を行ったりできます。
家庭用の電話機は、1本の回線に親機と子機をつなぐのが基本です。これに対してビジネスフォンは、多くの電話機と複数の回線を1つのシステムとしてまとめて管理できる点が大きな違いです。
▼関連記事:ビジネスフォンの主装置とは?役割と仕組み・価格相場・選び方と交換時期を解説
種類を分けるポイントは「主装置の場所」と「つなぎ方」
3つの種類の違いは、主に主装置をどこに置くかと、電話機をどのようにつなぐかにあります。
- レガシータイプ:主装置を社内に置き、電話専用の配線で電話機をつなぐ
- IP-PBX:主装置(IP-PBX)を社内に置き、社内のLANで電話機をつなぐ
- クラウドPBX:主装置の機能をインターネット上に置き、ネット経由で端末をつなぐ
この違いによって、導入時の工事の有無や、使える場所、費用のかかり方が変わってきます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
3種類のビジネスフォンの特徴
ここでは、3つの種類それぞれの仕組みと、どのような会社に向いているかを紹介します。
レガシータイプ(従来型ビジネスフォン)
レガシータイプは、オフィス内に主装置を設置し、電話専用の配線で電話機をつなぐ従来型のビジネスフォンです。長く使われてきた方式で、操作に慣れている人が多いのも特徴です。
電話専用の配線を使うため、インターネットの混雑に左右されにくく、通話が安定しやすいのが強みです。ドアホンや構内放送など、周辺機器との連携にも対応しやすく、事務所や店舗、医療機関など、固定の拠点で電話を受けることが多い会社に向いています。
IP-PBX
IP-PBXは、社内にIP-PBXと呼ばれる主装置を置き、パソコンと同じ社内のLANを使って電話機をつなぐ方式です。電話専用の配線が不要になり、LANケーブルで電話機を接続できます。
ネットワークを使うため、複数の拠点を内線でつなぐことや、スマートフォンを内線として使うことにも対応しやすいのが特徴です。一方で、システムの構築やネットワークの設計に専門知識が必要になるため、拠点が複数ある中規模以上の企業で採用されることが多い方式です。
クラウドPBX
クラウドPBXは、主装置の機能をインターネット上のサーバーで提供するサービスです。社内に主装置を置かないため、主装置の購入や配線工事がほとんど必要ありません。
サービスを提供する会社がサーバーの管理や更新を行うため、機器の保守や故障対応を自社で行う必要がほとんどないのも特徴です。利用人数の増減も、管理画面や契約の変更で対応できます。
スマートフォンやパソコンに専用のアプリを入れれば、オフィスの外でも会社の電話番号で発着信できます。在宅勤務や外出の多い会社、これから拠点を増やす予定の会社、初期費用を抑えたい会社に向いています。
ビジネスフォンの種類ごとのメリットとデメリット
どの種類にも、メリットとデメリットがあります。自社にとってどのデメリットが許容できるかという視点で比べると、選びやすくなります。
レガシータイプのメリット・デメリット
レガシータイプのメリットは、通話品質が安定していることと、周辺機器との連携がしやすいことです。一度導入すれば月々の利用料は回線料と保守料が中心で、長く使うほど1か月あたりの負担が小さくなります。
一方で、主装置と配線工事の初期費用が大きいことがデメリットです。電話機を増やすたびに配線工事が必要になり、主装置の容量を超えると入れ替えが必要になります。また、オフィスの外では電話を受けられないため、外出が多い会社では使いにくさを感じることがあります。
IP-PBXのメリット・デメリット
IP-PBXのメリットは、拠点間の内線を無料でつなげることや、スマートフォンとの連携がしやすいことです。電話専用の配線が不要なため、レイアウトの変更にも対応しやすくなります。
一方で、ネットワークが混雑すると通話品質に影響が出ることがあります。また、機器の購入や設定に費用がかかり、運用にはネットワークの知識が必要です。社内にIT担当者がいない場合は、保守を業者に任せられるかを確認しておきましょう。
クラウドPBXのメリット・デメリット
クラウドPBXのメリットは、初期費用を抑えやすく、場所を選ばずに使えることです。利用人数の増減にも契約の変更で対応でき、主装置の故障や入れ替えを気にする必要もありません。
一方で、利用人数に応じた月額料金がかかり続けるため、長く使うと総額が主装置型を上回ることがあります。通話品質はインターネット回線の状態に左右され、ドアホンやFAXなど一部の機能に対応していない場合もあります。今の電話番号を使えるかどうかも、事前に確認が必要です。
▼関連記事:ビジネスフォンのメリット7選|家庭用電話機との違いとデメリットもわかりやすく解説
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ビジネスフォンの種類ごとの費用の違い
ビジネスフォンの種類によって、費用がかかるタイミングと項目が大きく異なります。ここでは一般的な目安を紹介しますが、実際の金額は構成や業者によって変わるため、見積もりで確認してください。
初期費用の違い
レガシータイプは、主装置、電話機、配線工事が初期費用の中心です。新品の場合、電話機は1台あたり4万〜8万円程度、主装置は20万円前後からが目安で、これに工事費が加わります。
IP-PBXも、機器の購入と設定費が初期費用の中心です。電話専用の配線は不要ですが、LANの整備やネットワーク機器の費用がかかることがあり、規模によってはレガシータイプより高くなる場合もあります。
クラウドPBXは、主装置や配線工事が不要なため、初期費用は無料〜数万円程度に収まるケースが多くあります。スマートフォンを端末として使えば、電話機の購入費もかかりません。
月額費用の違い
レガシータイプとIP-PBXの月額費用は、主に回線の基本料金、通話料、保守料です。リースで導入した場合は、これにリース料が加わります。
クラウドPBXは、回線料や通話料に加えて、利用人数や電話番号の数に応じた月額料金がかかります。通話録音や自動音声応答などのオプションを追加すると、さらに料金が上がります。
5年程度の総額で比べる
初期費用だけで比べると、クラウドPBXが最も安く見えます。しかし、5年程度使った場合の総額で比べると、利用人数が多い会社ではレガシータイプのほうが安くなることもあります。
たとえば、社員20人がそれぞれ電話を使う会社では、クラウドPBXの月額料金が毎月積み重なり、数年で主装置型の導入費用を超えることがあります。人数が多く、長く同じオフィスで使う会社ほど、主装置型の総額が有利になりやすいと考えておくとよいでしょう。
反対に、利用人数が少ない会社や、数年以内に移転や人数の変化が予定されている会社では、クラウドPBXのほうが総額を抑えやすくなります。使う期間と人数を想定し、同じ条件で総額を並べて比べることが大切です。
自社に合うビジネスフォンの種類の選び方
ビジネスフォンの種類は、働き方、拠点の数、会社の規模の3つを軸に考えると選びやすくなります。あわせて、使いたい電話番号と回線も確認しておきましょう。
働き方で選ぶ
社員の多くがオフィスの自席で電話を受けるなら、通話が安定しやすいレガシータイプが使いやすいでしょう。受付や代表電話の対応が中心の会社にも向いています。
外出や在宅勤務が多く、オフィスに誰もいない時間がある会社なら、スマートフォンで会社の電話を受けられるクラウドPBXが候補になります。オフィスの電話とスマートフォンの両方を使いたい場合は、レガシータイプやIP-PBXにスマートフォン連携の機能を加える方法もあります。
拠点の数で選ぶ
拠点が1つだけであれば、レガシータイプとクラウドPBXのどちらも選択肢になります。複数の拠点を内線でつなぎたい場合は、IP-PBXかクラウドPBXが向いています。
拠点間の通話が多い会社では、内線でつなぐことで拠点同士の通話料を削減できるのも大きなメリットです。
会社の規模と将来の増員で選ぶ
社員が数名の小規模なオフィスでは、小型の主装置を使ったレガシータイプか、少人数から契約できるクラウドPBXが一般的です。中規模以上になると、台数や機能の要件に合わせて、IP-PBXも含めて比較するとよいでしょう。
今後の増員や移転を予定している場合は、あとから台数を増やしやすいかどうかも重要です。主装置型なら容量に余裕のある機種を、クラウドPBXなら契約の変更で柔軟に対応できるかを確認しましょう。
▼関連記事:ビジネスフォンの選び方|失敗しない機種選定と導入のポイントを徹底解説
使いたい電話番号と回線で選ぶ
今の電話番号を引き続き使いたい場合、種類やサービスによっては番号を引き継げないことがあります。特にクラウドPBXでは、市外局番から始まる固定番号を使えるかどうか、サービスごとに条件が異なります。
取引先からの信頼を重視する業種では、固定の電話番号を使えることが重要です。種類を決める前に、使いたい番号と今の回線の種類を業者に伝えて確認しておきましょう。
運用やサポートの体制で選ぶ
社内に電話やネットワークに詳しい担当者がいない場合は、導入後の設定変更や故障対応を業者に任せられるかも重要な判断材料です。IP-PBXは設定の自由度が高い反面、運用に専門知識が求められます。
レガシータイプは、故障時に業者が訪問して対応するのが一般的です。クラウドPBXは設定の多くを管理画面から行えますが、社員の追加や番号の設定を自社で行う場面が増えます。自社で対応できる範囲と、業者に任せたい範囲を整理しておくと、種類を絞り込みやすくなります。
ビジネスフォンの電話機の種類
ビジネスフォンを選ぶ際は、システムの種類だけでなく、実際に使う電話機の種類も確認しておくことが大切です。主な種類は次のとおりです。
多機能電話機(据え置き型)
多機能電話機は、デスクに置いて使う最も一般的なビジネスフォンの電話機です。外線ボタンや機能ボタンが並び、保留や転送、内線の呼び出しをボタン1つで操作できるのが特徴です。
ボタンの数や画面の大きさによって複数のモデルがあり、受付や代表電話を担当する席にはボタンの多いモデル、一般の席にはシンプルなモデルというように、席の役割に合わせて使い分けることもできます。
コードレス電話機
コードレス電話機は、主装置に接続したアンテナなどと無線でつながる電話機です。席を離れても外線や内線の電話を受けられるため、倉庫や工場、店舗、病院などで広く使われています。
受話器だけを無線にしたカールコードレス電話機や、建物内を広く使えるデジタルコードレス電話機など、使う範囲に応じて種類を選びます。
▼関連記事:ビジネスフォンの子機とは?コードレス電話機の種類と増設方法・費用の目安を解説
スマートフォン・ソフトフォン
IP-PBXやクラウドPBXでは、スマートフォンに専用のアプリを入れて内線端末として使うことができます。パソコンに電話機の機能を持たせる「ソフトフォン」を使えば、ヘッドセットで通話しながらパソコンで作業することも可能です。
電話機を置かずに運用できるため、フリーアドレスのオフィスや在宅勤務と相性のよい方法です。
ビジネスフォンで使う回線の種類と注意点
ビジネスフォンは、どの回線を使うかによっても、通話料や同時に話せる数、使えるサービスが変わります。主な回線の種類と注意点を確認しておきましょう。
ひかり電話などの光回線
現在、ビジネスフォンの回線として多く使われているのが、光回線を使ったひかり電話などのIP電話サービスです。1つの契約で複数の通話を同時に行え、電話番号の追加もしやすいのが特徴です。
基本料金や通話料が比較的安く、インターネット回線とまとめて契約できる点もメリットです。一方で、停電時には光回線の機器が止まり、電話が使えなくなることがあるため、非常時の連絡手段も考えておきましょう。
アナログ回線・ISDN回線
従来から使われているアナログ回線やISDN回線は、NTTの固定電話網を使った回線です。総務省によると、NTTの固定電話網はIP網への移行が進められており、これまでのメタル電話の利用者は、IP電話への移行か、メタル回線を使った「メタルIP電話」の利用のどちらかを選ぶことになります(参考:総務省「固定電話網の円滑な移行」)。
また、ISDN回線の一部サービスは提供の終了が案内されています。今ISDN回線を使っている場合は、ビジネスフォンの入れ替えにあわせて回線の切り替えも検討すると、工事や手続きをまとめて進められます。
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ビジネスフォンの導入方法の種類
ビジネスフォンは、どの種類を選ぶかに加えて、どのような方法で導入するかによっても費用のかかり方が変わります。レガシータイプやIP-PBXの場合、主な導入方法は次の4つです。
新品・中古で購入する
新品を購入すれば、最新の機能を使え、メーカーの保証や部品供給の期間も長く確保できます。長く安心して使いたい会社に向いた方法です。
中古品を購入すれば、機器代を新品の数分の一に抑えられることがあります。ただし、生産終了から年数がたった機種は部品の確保が難しくなるため、保証や保守の内容を確認しておきましょう。
▼関連記事:中古ビジネスフォンの価格相場と選び方|メリット・デメリットと失敗しない購入のコツ
リース・レンタルで導入する
リースは、リース会社が購入した新品の機器を、5〜7年程度の契約期間で月額料金を払って使う方法です。初期費用をかけずに新品を導入できますが、原則として中途解約はできません。
レンタルは、レンタル会社の機器を必要な期間だけ借りる方法で、数週間から数か月の短期利用に向いています。月あたりの料金は割高なため、長く使う場合はリースや購入と比べて判断しましょう。
▼関連記事:ビジネスフォンのリース契約とは?仕組み・料金相場・メリットと注意点を解説
まとめ
ビジネスフォンの種類は、レガシータイプ、IP-PBX、クラウドPBXの3つに大きく分けられます。主装置をどこに置き、どのように電話機をつなぐかによって、通話の安定性、使える場所、費用のかかり方が変わります。
固定席での電話対応が中心ならレガシータイプ、複数の拠点を内線でつなぎたいならIP-PBX、外出や在宅勤務が多いならクラウドPBXが有力な候補です。働き方、拠点の数、会社の規模を軸に考え、5年程度の総額で比べると、自社に合った種類を選びやすくなります。
あわせて、電話機の種類や使う回線、新品・中古・リースといった導入方法も確認しておきましょう。種類ごとの特徴を理解したうえで比較することが、導入後に後悔しないビジネスフォン選びにつながります。
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