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複合機がWi-Fiに繋がらない原因と対処法|周波数帯やSSIDの確認手順を解説

パスワードは何度も確認した。ルーターも複合機も再起動した。それでも無線で繋がらない。この状態で悩んでいる方は少なくありません。

実は、複合機がWi-Fiに繋がらない原因で最も多いのは、パスワードの誤りではなく周波数帯の不一致です。多くの複合機は2.4GHz帯にしか対応しておらず、5GHz帯のSSIDを選んでいると、正しいパスワードを入れても接続できません。

この記事では、無線接続に特有の原因を順に整理しました。周波数帯、暗号化方式、ルーター側の機能、電波環境という4つの観点から、どこを見れば原因にたどり着けるかを説明します。

確認したいポイント結論詳細
最初に何を見ればいい?本体のWi-Fi表示とIPアドレスアドレスが表示されていなければ、複合機がWi-Fiに接続できていない状態です。
繋がらない一番の原因は?周波数帯の不一致複合機の多くは2.4GHz帯のみ対応で、5GHz帯のSSIDには接続できません。
繋がるのに途切れるのは?5GHz帯のレーダー回避動作W53とW56のチャネルは気象レーダーを検出すると自動的に停波・移動します。

この記事でわかること

  • 複合機がWi-Fiに接続できているかを判定する方法
  • 2.4GHz帯と5GHz帯の違いと、SSIDの見分け方
  • 接続はできるのに途切れる場合に疑うべき電波の仕組み
  • ルーター側の設定が通信を遮っているケースとその見つけ方
  • 無線と有線のどちらで運用すべきかの判断基準
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まず複合機が接続できているかを判定する

本体のWi-Fi表示を確認する

パソコン側の設定を触る前に、複合機自体が無線につながっているかを確かめてください。操作パネルのWi-Fiアイコンやランプが、接続状態を示しています。

アイコンが点滅している、または接続エラーが表示されている場合は、パソコン側をいくら設定し直しても解決しません。まずは複合機とルーターの間の接続を成立させる必要があります。

IPアドレスが取得できているか

より確実な判定方法が、複合機のネットワーク設定画面でIPアドレスを見ることです。無線でルーターに接続できていれば、アドレスが割り当てられています。

アドレスが空欄になっている、あるいは169で始まる数値が表示されている場合は、ルーターからアドレスを受け取れていない状態です。接続そのものが成立していないと判断できます。

機種によっては、ネットワーク設定の一覧を印刷する機能もあります。画面が小さくて確認しづらいときはこちらが便利です。

そもそも無線に対応しているか

見落とされがちですが、業務用の複合機は有線LANが標準で、無線LAN機能は別売のオプションになっている機種が少なくありません。

家庭用のインクジェット複合機と違い、業務用は有線での運用が前提に設計されています。オプションを装着していなければ、そもそもWi-Fi接続はできません。

導入時の構成がわからない場合は、機種名で仕様を調べるか、販売会社に確認してください。

関連記事:複合機の値段はいくら?新品・中古・リース別の目安と価格が決まる仕組みを解説

最も多い原因は周波数帯の不一致

複合機の多くは2.4GHz帯のみに対応

Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯という2つの周波数帯があります。5GHz帯のほうが速く干渉も少ないため、パソコンやスマートフォンでは5GHz帯が選ばれることが多くなっています。

ところが、プリンターや複合機は2.4GHz帯にしか対応していない機種が数多くあります。この場合、5GHz帯のSSIDを選んでも一覧に表示されず、選べたとしても接続に失敗します。

パスワードを何度も入れ直しているのに繋がらないという状況は、ほとんどがこれです。まず自社の複合機がどの周波数帯に対応しているかを確認してください。

SSIDの見分け方

ルーターは通常、周波数帯ごとに別のSSIDを持っています。メーカーによって命名規則が違いますが、末尾の記号で判別できることが多くなっています。

バッファロー製であれば末尾がGやgのものが2.4GHz帯、Aやaのものが5GHz帯です。NEC製では末尾がgとaで分かれます。ルーター本体の側面や底面に貼られたラベルにも記載されています。

複合機の設定画面でSSIDの一覧を表示させ、2.4GHz帯のものを選んでください。

バンドステアリングでSSIDが統合されている場合

最近のルーターには、2.4GHz帯と5GHz帯を1つのSSIDにまとめ、電波状況に応じて自動的に振り分ける機能が搭載されています。この機能が有効だと、2.4GHz帯専用の複合機が接続できないことがあります。

対処としては、ルーターの設定画面でこの機能を無効にし、2.4GHz帯専用のSSIDを表示させたうえで、複合機をそちらに接続します。メッシュWi-Fi対応の機種では、メッシュ機能をオフにすると連動して無効になる場合もあります。

なお、機能を無効にするとパソコンやスマートフォン側の接続先も変わることがあるため、社内に周知してから作業してください。

パソコンと複合機を同じSSIDに揃える

複合機が2.4GHz帯につながっているのに印刷できないという場合、パソコン側が5GHz帯にいることが原因になっているケースがあります。

メーカーの案内でも、プリンターと端末を同じSSIDに接続すると通信できるようになると説明されています。まずは両方を2.4GHz帯に揃えて、印刷できるか試してみてください。

関連記事:複合機のスキャン設定の手順|共有フォルダ・メール送信の方法と保存できないときの対処

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周波数帯やSSIDの設定確認だけでも承ります。ルーターの設定画面を触るのが不安な場合はお任せください。
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接続はできるのに途切れる場合

5GHz帯には3つの区分がある

複合機が5GHz帯に対応している場合、別の問題が起きることがあります。日本の5GHz帯は、W52、W53、W56という3つの区分に分けて管理されています。

W52は36から48チャネル、W53は52から64チャネル、W56は100番台のチャネルが割り当てられています。このうちW53とW56は、気象レーダーや航空レーダーと周波数を共用しています。

レーダーを検出すると通信が止まる

レーダーとの干渉を避けるため、W53とW56を使う無線機器にはレーダー波を回避する機能の搭載が義務づけられています。通信を開始する前に1分間レーダー波を監視し、動作中に検出した場合は別のチャネルへ移動します。

このチャネル移動の際、通信が一時的に途切れます。接続はできているのに印刷が突然失敗する、しばらくすると復旧するという症状であれば、この動作が原因の可能性があります。

対処としては、ルーターの使用チャネルをレーダーの影響を受けないW52に固定するか、複合機を2.4GHz帯に接続する方法があります。

屋外での利用には制限がある

5GHz帯には設置場所の制限もあります。W52とW53は原則として屋内での使用に限られており、屋外での利用は認められていません。屋外で使えるのはW56の区分です。

倉庫や作業場、テラスなど屋外に近い場所に機器を置く場合は、この点にも注意が必要です。電波法にもとづく制限であり、条件を満たさない利用は法令違反となります。制度の詳細は総務省の電波利用ポータルで確認できます。

参照:総務省 電波利用ポータル「無線LANの屋外利用/上空利用について」

関連記事:複合機がWi-Fiに繋がらない原因と対処法|周波数帯やSSIDの確認手順を解説

SSID・パスワード・暗号化方式の確認

SSIDとパスワードの入力ミス

基本的なことですが、複合機の小さな画面で英数字を入力する作業はミスが起きやすいものです。大文字と小文字、数字のゼロとアルファベットのオー、数字の1と小文字のエルは特に間違えやすい組み合わせです。

ルーター本体のラベルに記載された値を、もう一度そのまま確認してください。過去にパスワードを変更している場合は、現在の値がラベルと異なることもあります。

暗号化方式が合っていない

見落とされやすいのがこの要因です。Wi-Fiの暗号化方式にはWPA2やWPA3といった規格があり、新しいルーターではWPA3が既定になっていることがあります。

導入から年数が経った複合機はWPA3に対応していないことが多く、この場合は接続できません。ルーター側の暗号化方式を、WPA2とWPA3の両方を受け付ける設定に変更すると解決します。

セキュリティの水準がわずかに下がるため、社内に管理者がいる場合は相談したうえで変更してください。

ステルスSSIDとMACアドレスフィルタリング

セキュリティ対策としてSSIDを非表示にしている環境では、複合機の一覧に電波が出てきません。この場合はSSIDを手動で入力する必要があります。

また、接続を許可する機器を登録制にしている場合は、複合機の識別番号をルーターに登録しなければ接続できません。新しく機器を導入したときや、複合機を入れ替えたときに起きやすい見落としです。

ルーター側の機能が通信を遮っているケース

機器同士の通信を遮断する設定

ルーターには、同じネットワークにつながった機器同士の通信を遮断する機能があります。メーカーによってプライバシーセパレーターやAP隔離などと呼ばれます。

この機能が有効だと、パソコンも複合機もインターネットには繋がるのに、両者のあいだで通信ができないという状態になります。無線で印刷できない原因として意外に多いものです。

ルーターの設定画面で該当する項目を探し、無効に変更してください。

ゲスト用ネットワークに接続している

来客用に用意されたゲストネットワークは、社内の機器と通信できないよう設計されているのが一般的です。複合機やパソコンがこちらに接続されていると印刷はできません。

SSIDの名前にguestと入っていないかを確認してください。社内用と来客用でSSIDが似ている環境では、うっかり選び間違えることがあります。

メッシュWi-Fiや中継機の影響

広いオフィスでは、中継機やメッシュWi-Fiで電波を届けている場合があります。この構成では、複合機とパソコンが別々の親機や中継機につながり、通信できなくなることがあります。

切り分けの方法として、複合機を一時的にルーター本体の近くに移動して接続を試すと、中継機が原因かどうかが判別できます。

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ルーターの設定確認や、オフィス全体の無線環境の設計もご相談いただけます。原因の切り分けからお手伝いします。
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電波環境が原因になっているケース

距離と障害物

複合機は電源の位置や設置スペースの都合で、部屋の隅や壁際に置かれがちです。ルーターとの距離が離れていたり、あいだに壁があったりすると電波が届きません。

特に影響が大きいのが、金属製のキャビネットやスチール棚、コンクリートの壁です。複合機がこれらに囲まれていないかを確認してください。

操作パネルに電波状態を表示する機能があれば、その値も確認します。弱い表示が出ていれば、設置場所の問題である可能性が高くなります。

2.4GHz帯は干渉を受けやすい

複合機が使うことの多い2.4GHz帯は、電子レンジ、コードレス電話、無線マウスやキーボードなど、多くの機器と同じ周波数を使っています。

給湯室の電子レンジが動くたびに印刷が止まるという事例も実際にあります。時間帯によって症状が出たり出なかったりする場合は、干渉を疑ってください。

近隣のオフィスや店舗の電波と重なっていることもあります。ルーターの設定でチャネルを変更すると改善する場合があります。

設置場所の見直し

電波が届かないのであれば、機器を近づけるのが最も確実です。とはいえ複合機は簡単に動かせるものではありません。

現実的な対策は、複合機の近くに無線のアクセスポイントを追加する、あるいは有線LANの配線を引くことです。恒久的に安定させたいなら、電波を強くするより配線のほうが確実です。

接続設定をやり直すときの手順

ボタン操作による自動接続

ルーターと複合機の両方が対応していれば、ボタンを押すだけで設定が完了する機能が使えます。ルーター側のボタンを押し、複合機側で該当のメニューを選ぶという手順です。

短時間で済むうえ入力ミスも起きないため、まずはこの方法を試す価値があります。ただし、ルーターがこの機能に対応していない場合や、SSIDを非表示にしている環境では使えません。

手動設定でのやり直し

自動接続がうまくいかない場合は、複合機のネットワーク設定を初期化してから、SSIDとパスワードを手動で入力し直します。

初期化するとIPアドレスの設定も消えるため、固定アドレスを割り当てていた環境では、その値を控えてから作業してください。控えを取らずに初期化すると、パソコン側の設定もやり直すことになります。

ルーターを買い替えた後にやること

ルーターを新しくすると、SSIDもパスワードも変わります。複合機は以前のSSIDを探し続けるため、当然つながりません。

新しいルーターの情報で設定を入れ直す必要があります。あわせて、IPアドレスの割り当て範囲が変わっていることも多く、パソコン側のポート設定も見直す必要が出てきます。

回線工事やオフィスの移転の後にトラブルが起きた場合は、故障を疑う前にこの点を確認してください。

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ルーターの入れ替えやオフィス移転にともなう再設定も承ります。複合機とパソコンをまとめて設定し直します。
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そもそもWi-Fiで運用すべきかを考える

業務用複合機は有線が基本

ここまで無線接続の対処法を説明してきましたが、前提として業務用複合機は有線LANでの運用が基本です。速度も安定性も有線のほうが優れています。

大きなデータを印刷する、複数人が同時に印刷する、スキャンしたデータを頻繁に送るといった使い方では、無線は不利です。印刷が遅い、途中で止まるといった不満の原因が無線接続にあることもあります。

トラブルが繰り返し起きているなら、無線を安定させる努力より有線化を検討したほうが早いかもしれません。

無線が適しているケース

一方で、無線が向く場面もあります。配線工事ができない賃貸オフィス、レイアウト変更が多い環境、機器の設置場所が限られている場合などです。

スマートフォンやタブレットから直接印刷したいという要望がある場合も、無線環境が必要になります。

有線化やアクセスポイント追加という選択肢

有線化する場合、複合機の設置場所までLANケーブルを引く工事が必要です。距離や経路にもよりますが、モール配線であれば大がかりな作業にはなりません。

配線が難しい場合は、複合機の近くにアクセスポイントを設置し、そこから短い距離で有線接続する方法もあります。電波が届かない場所へ無理に飛ばすより、確実で管理もしやすい構成です。

どの方法が適しているかは、オフィスの間取りと使い方によって変わります。

まとめ|まず周波数帯を疑い、次にルーター側を見る

複合機がWi-Fiに繋がらないとき、真っ先に疑うべきは周波数帯の不一致です。多くの複合機は2.4GHz帯にしか対応しておらず、5GHz帯のSSIDを選んでいると接続できません。SSIDの末尾の記号で判別できます。

接続はできるのに途切れる場合は、5GHz帯のレーダー回避動作が関係していることがあります。W53とW56のチャネルは、気象レーダーを検出すると自動的にチャネルを移動するため、その瞬間に通信が途切れます。

パスワードが正しいのに繋がらないなら、暗号化方式の確認を。古い複合機はWPA3に対応していないことが多く、ルーター側の設定変更で解決します。機器同士の通信を遮断する設定やゲストネットワークも見落としやすい原因です。

そして、何度も同じトラブルが起きるようであれば、無線にこだわらず有線化を検討してください。業務用複合機は有線での運用が基本であり、そのほうが結果的に手間もコストも抑えられます。

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有線化の工事から無線環境の設計まで対応しています。オフィスの状況を伺ったうえで、最適な構成をご提案します。
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