CAD対応の複合機の選び方|図面サイズ別の種類と大判機の費用・導入ポイント
建設会社や設計事務所、製造業など、CADで図面を扱う職場では、図面をどのサイズで、どれだけきれいに、どれだけ早く出力できるかが業務の効率を大きく左右します。
一方で、「今の複合機ではA3までしか出せない」「大きな図面は出力センターに頼んでいる」「細い線がかすれてしまう」といった悩みを抱えている方も少なくありません。CAD図面に合った複合機を選べば、こうした手間やコストを減らせます。
この記事では、CAD図面の印刷に複合機を使うメリット、図面サイズ別の複合機の種類、選ぶときのポイント、紙図面の電子化への活用、費用と導入方法、業種別の選び方、導入時の注意点までを順に解説します。
まずは、検討時によく出る3つの疑問への答えを表で確認してください。確認したいポイントをクリックすると、該当する見出しへ移動します。
目次
- CAD図面の印刷に複合機を使うメリット
- 図面の印刷・コピー・スキャンを1台でこなせる
- 出力センターへの外注や持ち込みを減らせる
- 紙図面の電子化と共有が進む
- CAD図面に使える複合機の種類
- A3対応のオフィス用複合機
- 広幅(ワイド)複合機
- 大判インクジェット複合機
- 大判プリンターとスキャナーを組み合わせる方法
- CAD対応の複合機を選ぶポイント
- 出力したい最大の図面サイズ
- モノクロかカラーか
- 細い線を正確に出せる解像度とCAD向けドライバー
- 印刷速度と給紙の方法
- 図面スキャンの性能
- 設置スペースと電源
- 紙図面の電子化に複合機を活用する
- スキャンしてPDFで保存・共有する
- CADデータへの変換
- 古い図面や青焼き図面の読み取り
- CAD対応複合機の費用と導入方法
- 本体価格とリース料の目安
- 印刷コスト(カウンター料金・用紙代)
- リース・購入・中古・レンタルの選び方
- 業種別のCAD対応複合機の選び方
- 建設会社・設計事務所
- 製造業
- 不動産・住宅会社
- 工事現場の事務所
- CAD対応複合機を導入するときの注意点
- CADソフトや社内のパソコンとの相性を確認する
- オフィス用の複合機と大判機を使い分ける
- 図面データの保存と管理のルールを決める
- 保守・サポート体制を確認する
- まとめ
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| CAD図面に使える複合機の種類は? | A3複合機・広幅複合機・大判複合機の3つ | A3までならオフィス用の複合機で対応でき、A2〜A0の図面を出すなら広幅・大判の複合機やプリンターが必要になります。 |
| 選ぶときのポイントは? | 最大サイズ・線の再現性・速度・スキャン | 出力したい最大の図面サイズ、細い線を正確に出せる解像度とCAD向けのドライバー、印刷速度、図面スキャンの性能を確認します。 |
| 導入費用の目安は? | 大判機はA3複合機より高く、リースが主流 | 広幅・大判の複合機は本体価格が高く、リースで導入するのが一般的です。印刷枚数と図面のサイズから総額で比べましょう。 |
この記事でわかること
- CAD図面の印刷に複合機を使うメリット
- A3複合機・広幅複合機・大判複合機など図面サイズ別の種類
- 最大サイズ・線の再現性・速度・スキャンなど選ぶときのポイント
- 紙図面の電子化やCADデータへの変換に複合機を活用する方法
- CAD対応複合機の費用と導入方法、業種別の選び方と注意点
CAD図面の印刷に複合機を使うメリット
CADで作成した図面は、打ち合わせや現場での確認、承認手続きなどで、今も紙に出力して使われる場面が多くあります。CAD図面に対応した複合機を導入すると、図面にかかわる業務をまとめて効率化できます。
図面の印刷・コピー・スキャンを1台でこなせる
CAD対応の複合機なら、パソコンからの図面の印刷、紙図面のコピー、図面のスキャンを1台で行えます。プリンター、コピー機、スキャナーを別々に置く必要がなくなり、設置スペースや保守の手間を減らせます。
たとえば、現場から戻ってきた赤字入りの図面をそのままスキャンして設計担当者に送る、といった作業も複合機の前で完結します。
出力センターへの外注や持ち込みを減らせる
A1やA0などの大きな図面を社内で出力できない場合、出力センターや印刷会社に依頼することになります。依頼や受け取りの手間、急ぎのときの時間的なロスは、積み重なると大きな負担です。
社内に大判の図面を出力できる複合機があれば、必要なときにすぐ、必要な枚数だけ出力できます。修正のたびに外注していた場合は、コストの削減にもつながります。
また、社外に図面のデータを預ける機会が減るため、設計情報や顧客の情報を社内で管理しやすくなるという点もメリットです。機密性の高い図面を扱う会社ほど、社内で出力できる環境を整える価値は大きいといえます。
紙図面の電子化と共有が進む
建設業界では、図面をはじめとする成果品を電子データで納めることが広がっています。国土交通省は、直轄事業の成果品を電子データで納める電子納品を進めており、CADデータの作成方法などの要領・基準を定めています(参考:国土交通省 国土技術政策総合研究所「電子納品に関する要領・基準」)。
過去の紙図面をスキャンして電子化しておけば、社内での検索や共有、クラウドでの保管がしやすくなります。図面をスキャンできる複合機は、こうした電子化を進めるための重要な設備です。
CAD図面に使える複合機の種類
CAD図面に使える複合機は、出力できる図面の最大サイズによって大きく分けられます。自社でよく使う図面のサイズから、必要な種類を考えましょう。
A3対応のオフィス用複合機
一般的なオフィス用の複合機は、A3(または少し大きいA3ノビ)までの用紙に対応しています。A3までの図面や、大きな図面を縮小して確認用に印刷する程度であれば、オフィス用の複合機で十分なケースもあります。
機種によっては、CAD向けのプリンタードライバーや、細い線をくっきり出す画質モードを備えたものもあります。事務書類と図面の両方をこなしたい場合は、こうした機能の有無を確認しましょう。
広幅(ワイド)複合機
広幅複合機は、A2からA0程度までの大きな図面を印刷・コピー・スキャンできる複合機です。モノクロのトナー方式のものが多く、線画の図面を速く、にじみにくく出力できるのが特徴です。
建設会社や設計事務所で、かつての青焼きに代わる図面の複写機として広く使われています。ロール紙を使うため、長い図面を出力できる機種もあります。
大判インクジェット複合機
大判インクジェット複合機は、インクジェット方式でA1〜A0程度までのカラー出力に対応した複合機です。カラーの図面やパース、地図、ポスターなどを出力したい場合に向いています。
カラーの表現力に優れる一方、モノクロの線画を大量に出力する場合は、広幅のトナー機より印刷に時間がかかることがあります。カラーの必要性と出力枚数のバランスで選びましょう。
大判プリンターとスキャナーを組み合わせる方法
コピーやスキャンの頻度が少なく、主に印刷だけを行う場合は、大判プリンターを単体で導入する方法もあります。複合機より本体価格を抑えやすいのがメリットです。
あとから図面のスキャンが必要になった場合は、大判スキャナーを追加することで、複合機と同じような使い方ができるようになります。
CAD対応の複合機を選ぶポイント
CAD図面に使う複合機は、一般的な事務用の複合機とは重視すべきポイントが異なります。導入前に確認しておきたい点を紹介します。
出力したい最大の図面サイズ
最初に決めたいのが、社内で出力したい図面の最大サイズです。A1までで足りるのか、A0まで必要なのかによって、選べる機種や価格が大きく変わります。
めったに使わないA0のために大型の機種を入れるより、よく使うサイズに合わせて選び、まれなサイズは外注するほうが効率的な場合もあります。過去数か月の図面のサイズ別の出力枚数を確認してみましょう。
モノクロかカラーか
線画中心の設計図や施工図が多いなら、モノクロの広幅複合機が効率的です。印刷が速く、1枚あたりのコストも抑えやすくなります。
設備図の色分けや、完成予想図、地図などカラーでの出力が多い場合は、カラーの大判インクジェット複合機が候補になります。A3以下のカラー出力は、オフィス用のカラー複合機で対応するという使い分けも有効です。
細い線を正確に出せる解像度とCAD向けドライバー
CAD図面では、細い線や小さな文字が正確に出力されるかが非常に重要です。印刷の解像度に加えて、CAD向けのプリンタードライバーや、線の太さを調整する機能があるかを確認しましょう。
また、パソコンを使わずに、USBメモリなどに保存したPDFの図面を複合機から直接印刷できる機能があると、現場から戻った担当者がすぐに図面を出せて便利です。対応しているファイル形式も確認しておきましょう。
実際に使っているCADソフトから図面を出力し、線のかすれや文字のつぶれがないかを試し刷りで確認するのが確実です。導入前にデモ機での試し刷りを依頼するとよいでしょう。
印刷速度と給紙の方法
大判の図面を多く出力する職場では、1枚あたりの出力時間が作業の効率に直結します。特に、打ち合わせの直前にまとめて図面を出すことが多い場合は、印刷速度を重視しましょう。
給紙の方法も確認が必要です。ロール紙を使う機種では、用紙を自動でカットして出力できるほか、複数のロールをセットしてサイズを自動で切り替えられるものもあります。
図面スキャンの性能
紙図面の電子化を進めたい場合は、スキャンできる最大サイズと、読み取りの画質を確認しましょう。鉛筆で書かれた図面や、古くなった青焼き図面をきれいに読み取るための画質モードがあると便利です。
スキャンしたデータをパソコンやクラウドに直接送れるか、PDFなどの扱いやすい形式で保存できるかもあわせて確認します。
設置スペースと電源
広幅・大判の複合機は、幅が1メートルを超える機種も多く、本体の周りに用紙の交換や出力された図面を取り出すスペースも必要です。搬入経路の扉や通路の幅も、事前に確認しておきましょう。
機種によっては専用のコンセントが必要になることもあります。設置場所の電源容量も、導入前に業者に確認してもらうと安心です。
▼関連記事:OA機器の機種はどう選ぶ?種類別の特徴と印刷枚数から決める選び方を解説
| CAD図面に合った複合機を選びたい方へ 株式会社ライドでは、よく使う図面のサイズや出力枚数、使っているCADソフトをお聞きしたうえで、オフィス用の複合機と大判機の組み合わせも含めてご提案します。 今お使いの複合機の見直しもお気軽にご相談ください。 複合機選びのお問い合わせはこちら |
紙図面の電子化に複合機を活用する
CAD対応の複合機は、印刷だけでなく、紙の図面を電子データに変えて活用するためにも役立ちます。
スキャンしてPDFで保存・共有する
最も手軽なのは、紙図面をスキャンしてPDFなどの画像データとして保存する方法です。ファイル名や保存先のルールを決めておけば、必要な図面をパソコンからすぐに探し出せます。
スキャンしたデータをクラウドに保存すれば、現場や外出先からタブレットで図面を確認することもできます。紙の図面を持ち歩いたり、事務所に取りに戻ったりする手間が減ります。
CADデータへの変換
スキャンした図面は画像データのため、そのままではCADソフトで線を編集できません。画像の図面をCADで編集できるデータに変換するソフトやサービスを使えば、過去の図面を修正に活用しやすくなります。
複合機のメーカーや販売会社によっては、複合機でスキャンするだけで自動的にCADデータへ変換するサービスを提供しているところもあります。変換の精度は図面の状態によって変わるため、試してから導入を判断しましょう。
古い図面や青焼き図面の読み取り
長年保管してきた古い図面や青焼き図面は、紙の劣化や色あせによって、読み取りにくくなっていることがあります。図面の地色を飛ばして線だけを濃く読み取る画質モードなどを使うと、見やすいデータにしやすくなります。
図面が多い場合は、一度にすべて電子化しようとせず、よく使う図面から順に進めると、無理なく続けられます。
CAD対応複合機の費用と導入方法
CAD対応の複合機は、対応する用紙サイズやカラーの有無によって費用が大きく変わります。ここでは費用の考え方を紹介しますが、実際の金額は機種や契約条件によって異なるため、見積もりで確認してください。
本体価格とリース料の目安
A3対応のオフィス用複合機であれば、リースで月額数千円〜2万円程度が一般的な目安です。CAD向けの機能を備えた機種でも、この範囲で導入できるケースが多くあります。
一方、A2〜A0に対応する広幅・大判の複合機は、本体価格がオフィス用の複合機より大幅に高く、数百万円規模になる機種もあります。そのため、まとまった初期費用をかけずに導入できるリースを利用するのが一般的です。
▼関連記事:複合機の相場はいくら?本体価格・リース料金・カウンター料金の相場を一覧表で徹底解説
印刷コスト(カウンター料金・用紙代)
複合機では、本体のリース料とは別に、印刷した量に応じたカウンター料金がかかるのが一般的です。大判の図面は1枚あたりの面積が大きいため、A4やA3の書類よりも1枚あたりのコストが高くなります。
ロール紙などの用紙代も含めて、図面のサイズ別の月間出力枚数から、月々の総額を試算しておきましょう。出力枚数が少ない場合は、大判機を導入するより外注のほうが安くなることもあります。
▼関連記事:複合機のランニングコストを徹底比較!内訳・相場・メーカー別の特徴からコスト削減方法まで完全ガイド
リース・購入・中古・レンタルの選び方
大判の複合機は高額なため、リースで導入し、月々の費用を平準化するのが一般的です。一方で、長く使う予定で資金に余裕がある場合は、購入のほうが総額を抑えやすくなります。
初期費用を抑えたい場合は、中古の大判機も選択肢になります。ただし、保守の対応期間や交換部品の有無を必ず確認しましょう。工事現場の事務所など、使う期間が決まっている場合は、レンタルも検討できます。
▼関連記事:複合機はリースと購入どちらがお得?費用シミュレーション・メリットデメリット・レンタルも含めて徹底比較
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業種別のCAD対応複合機の選び方
CAD図面の使い方は、業種によって異なります。業種ごとの選び方の目安を紹介します。
建設会社・設計事務所
施工図や設計図を大量に出力する建設会社や設計事務所では、A1〜A0に対応したモノクロの広幅複合機が中心になります。打ち合わせや現場への配布で同じ図面を何部も出力することが多いため、印刷速度とコピーの効率を重視しましょう。
完成予想図や色分けした設備図を出す機会が多い場合は、カラーの大判機を追加するか、A3のカラー複合機と使い分けると効率的です。
製造業
製造業では、部品図や組立図など、A3〜A2程度の図面を扱うことが多くあります。この場合は、CAD向けの機能を備えたA3複合機や、A2まで対応した広幅複合機が候補になります。
工場と設計部門など、複数の拠点で図面を共有する場合は、スキャンしたデータをネットワーク経由で送れる機能も重視しましょう。
不動産・住宅会社
間取り図や物件の資料をお客様に見せる機会が多い不動産会社や住宅会社では、カラーでの見栄えが重要になります。A3までのカラー複合機で十分な場合も多く、大きな図面が必要なときだけ大判のカラー出力を検討するとよいでしょう。
工事現場の事務所
工事現場の事務所では、工事の期間だけ図面を出力できる環境が必要になります。現場の規模や工期によっては、広幅の複合機をレンタルで設置する方法が効率的です。
本社の複合機と同じメーカーの機種を選べば、操作に迷わず、本社と現場で図面のデータを共有しやすくなるというメリットもあります。
CAD対応複合機を導入するときの注意点
CAD対応の複合機は高額な設備のため、導入後に「思っていたのと違う」とならないよう、次の点を確認しておきましょう。
CADソフトや社内のパソコンとの相性を確認する
使っているCADソフトから、問題なく図面を出力できるかを事前に確認しましょう。プリンタードライバーが社内のパソコンのOSに対応しているか、Macを使っている場合はMacに対応しているかも重要です。
可能であれば、実際の図面データを使った試し刷りを依頼し、線の太さや文字、出力にかかる時間を確認しておくと安心です。
オフィス用の複合機と大判機を使い分ける
大判の複合機は、A4の書類を大量に印刷する用途には向いていません。事務書類はオフィス用の複合機、図面は大判機というように、役割を分けて導入すると、それぞれの機種の強みを活かせます。
2台を導入する場合は、リースの契約期間や保守の窓口をそろえておくと、管理がしやすくなります。
図面データの保存と管理のルールを決める
図面のスキャンを始めると、社内に図面のデータが急速に増えていきます。保存先のフォルダ、ファイル名の付け方、最新版の見分け方などのルールを決めておかないと、どれが最新の図面かわからなくなってしまいます。
複合機の本体に図面のデータが残る場合もあるため、機密性の高い図面を扱う会社では、データの消去やアクセスの制限についても確認しておきましょう。
保守・サポート体制を確認する
図面の出力が止まると、打ち合わせや工事の進行に影響が出ます。故障時にどのくらいの時間で対応してもらえるか、大判機の修理に対応できる技術者がいるかを確認しておきましょう。
トナーやインク、ロール紙などの消耗品を、すぐに届けてもらえる体制があるかも大切なポイントです。
▼関連記事:複合機の契約形態を徹底解説!リース・レンタル・購入・保守契約の仕組みと選び方がわかる完全ガイド
まとめ
CAD図面に対応した複合機を導入すると、図面の印刷・コピー・スキャンを社内でまとめて行え、出力センターへの外注や持ち込みの手間を減らせます。紙図面の電子化を進めるための設備としても役立ちます。
種類は、A3までのオフィス用複合機、A2〜A0に対応する広幅複合機、カラー出力に強い大判インクジェット複合機などがあります。選ぶ際は、出力したい最大サイズ、モノクロかカラーか、線の再現性、印刷速度、スキャン性能、設置スペースを確認しましょう。
大判の複合機は高額なため、リースで導入するのが一般的です。図面のサイズ別の出力枚数から総額を試算し、オフィス用の複合機との使い分けや、保守体制まで含めて検討することが、CAD対応複合機選びで失敗しないポイントです。
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