複合機を購入するメリット・デメリットと費用の全体像 価格相場・新品vs中古・経理処理・保守契約・購入の手順まで完全ガイド
目次
- 複合機を購入するとはどういうこと?仕組みを解説
- 複合機の購入価格の相場
- 複合機を購入するメリット
- 総支払額がリースより安くなる可能性がある
- 所有権が自社にあり自由度が高い
- 新品だけでなく中古も選べる
- リース審査が不要
- 複合機を購入するデメリット
- まとまった初期費用が必要
- 固定資産として減価償却が必要
- 動産総合保険が自動付帯しない
- 保守契約を自分で手配する必要がある
- 処分・廃棄が自己責任
- 購入するなら新品と中古どちらがおすすめ?
- 複合機を購入した場合の経理処理
- 10万円以上は固定資産として減価償却
- 30万円未満なら一括経費計上が可能
- 固定資産税が発生する
- 複合機を購入した場合の保守契約はどうする?
- カウンター保守契約(おすすめ)
- スポット保守契約
- 保守契約なし(非推奨)
- 複合機を購入する際の手順
- 複合機の購入が向いている企業・向いていない企業
- 購入が向いている企業
- 購入が向いていない企業
- まとめ|複合機の購入はトータルコストと経理処理を理解した上で判断を
複合機の導入方法として約8割の企業がリースを選択していますが、「一括で購入した方がトータルコストは安くなるのでは?」と検討される企業もあります。実際、購入はリース料率分の手数料がかからないため、長期利用すれば総支払額を抑えられる可能性があります。しかし、まとまった初期費用が必要になる点や、固定資産としての経理処理、保守契約を自分で手配する必要がある点など、リースにはないデメリットも存在します。本記事では、複合機を購入する場合の費用相場、メリットとデメリット、新品と中古の比較、経理処理の方法、保守契約の選び方、購入の手順までを網羅的に解説します。
複合機を購入するとはどういうこと?仕組みを解説

複合機の「購入」とは、販売店からリースやレンタルを介さずに複合機を直接買い取り、自社の所有物として保有する導入方法です。所有権が自社にあるため、使用期間に制限がなく、不要になった場合は売却や譲渡も自由にできます。
リース契約との最大の違いは、初期費用の発生と所有権の帰属です。リースは初期費用ゼロで導入でき、所有権はリース会社にあります。一方、購入は本体価格を一括(または分割払い・クレジット)で支払い、所有権は自社に帰属します。購入した複合機は「固定資産」として扱われるため、減価償却や固定資産税の経理処理が必要になります。
複合機の購入価格の相場
| 印刷速度 | 定価(税抜) | 実売価格の目安 | 中古価格の目安 | 適した企業規模 |
|---|---|---|---|---|
| 15〜20枚/分 | 80〜150万円 | 30〜60万円 | 5〜15万円 | 小規模オフィス |
| 25〜30枚/分 | 120〜250万円 | 50〜100万円 | 8〜25万円 | 中小企業 |
| 35〜50枚/分 | 200〜450万円 | 80〜200万円 | 15〜30万円 | 中〜大規模企業 |
複合機の定価(メーカー希望小売価格)と実売価格には大きな差があります。販売店の値引きによって定価の30〜70%引きで購入できるケースも多く、同じ機種でも販売店によって数十万円の差が出ることがあります。購入の場合も、必ず複数の販売店から相見積もりを取ることが鉄則です。
複合機を購入するメリット
総支払額がリースより安くなる可能性がある
購入の最大のメリットは、リース料率分の手数料がかからないため、長期利用すればトータルの支払額をリースより抑えられる点です。たとえば本体100万円の複合機を5年リース(料率2%)すると総額約120万円ですが、購入なら100万円+カウンター料金で済みます。7年以上使い続ける場合は、購入のコスト優位がさらに広がります。
所有権が自社にあり自由度が高い
購入した複合機は自社の資産として所有するため、使用期間に制限がなく、不要になった場合は中古品として売却や他拠点への譲渡が自由にできます。リースのように契約満了時に返却する必要もありません。
新品だけでなく中古も選べる
リースは新品のみが対象ですが、購入であれば中古複合機も選択できます。中古なら新品の半額以下で手に入ることもあり、初期費用を大幅に抑えたい場合の選択肢になります。ただし中古特有のリスクには注意が必要です。
リース審査が不要
購入の場合はリース審査を受ける必要がありません。創業間もない企業や審査に不安がある場合でも、資金さえあれば確実に導入できます。
複合機を購入するデメリット
まとまった初期費用が必要
新品の業務用複合機は実売価格で30万〜200万円以上と高額であり、一括購入にはまとまった資金が必要です。リースであれば月額4,000〜25,000円程度で初期費用ゼロで導入できるため、キャッシュフローへの影響は購入の方が大きくなります。
固定資産として減価償却が必要
10万円以上の複合機を購入すると固定資産として計上され、法定耐用年数5年にわたって減価償却する必要があります。リースのように全額を経費計上することはできず、経理処理がやや複雑になります。さらに、固定資産税(償却資産税)の支払いも発生します。
動産総合保険が自動付帯しない
リース契約には火災・落雷・盗難などをカバーする動産総合保険が自動付帯しますが、購入の場合はこの保険がありません。万が一のリスクに備えるためには、自社で別途保険に加入する必要があります。
保守契約を自分で手配する必要がある
リースの場合は販売店がセットで保守契約を提案してくれますが、購入の場合は自分で保守契約の内容を選び、販売店やメーカーと交渉する必要があります。保守契約を結ばないと、故障時に1回8万〜15万円以上の修理費用が自己負担となります。
処分・廃棄が自己責任
購入した複合機が不要になった場合の処分費用は自己負担です。業務用複合機は産業廃棄物に分類されるため、自治体のゴミ収集には出せず、専門の回収業者に依頼する必要があります。回収費用は1万〜3万円程度が相場です。
購入するなら新品と中古どちらがおすすめ?
| 比較項目 | 新品購入 | 中古購入 |
|---|---|---|
| 価格 | 30万〜200万円(実売) | 5万〜30万円 |
| カウンター料金 | モノクロ1〜2円/枚カラー10〜20円/枚 | モノクロ約3円/枚カラー約25円/枚 |
| 故障リスク | 低い | 高い(部品の経年劣化) |
| 保守契約 | メーカー直接保守も可能 | 販売店経由が多い結べない場合も |
| 補修部品 | 5〜7年は安心 | 枯渇リスクあり |
| 機種の選択肢 | 全メーカー・全機種から選べる | 在庫から選択(制限あり) |
| おすすめケース | 長期利用・資金余裕あり安定した保守が必要 | 短期利用・初期費用最小化印刷枚数が少ない |
長期利用を予定していて安定した保守を受けたい場合は新品購入、初期費用を最小限に抑えたい場合や短期利用の場合は中古購入が適しています。ただし、中古はカウンター料金が新品の2〜3倍になるため、印刷枚数が多い環境では5年間のトータルコストで新品の方が安くなることもあります。
複合機を購入した場合の経理処理
10万円以上は固定資産として減価償却
取得価額が10万円以上の複合機は固定資産に該当し、法定耐用年数5年で減価償却します。計算方法は「定額法」(毎年同額を償却)と「定率法」(初期に多く償却)の2種類があります。たとえば100万円の複合機を定額法で償却する場合、毎年20万円ずつ5年間にわたって経費計上します。
30万円未満なら一括経費計上が可能
青色申告の中小企業者等であれば、取得価額が30万円未満の減価償却資産を全額その年度の損金に算入できる「少額減価償却資産の特例」を利用できます。中古複合機であれば30万円未満に収まるケースも多いため、この特例を活用して一括経費処理することも可能です(年間合計300万円が限度額)。
固定資産税が発生する
10万円以上の複合機を購入すると、毎年の償却資産税(固定資産税)の申告・納税が必要になります。ただし、同一市区町村内の償却資産の課税標準額合計が150万円未満であれば免税点以下となり、実質的に固定資産税はかかりません。
複合機を購入した場合の保守契約はどうする?

購入した複合機の保守契約は、販売店やメーカーと個別に交渉して契約する必要があります。リースの場合は販売店がセットで提案してくれますが、購入の場合は自分で保守の種類を選択します。
カウンター保守契約(おすすめ)
印刷枚数に応じた従量課金で、トナー代・修理費・メンテナンスが含まれます。毎月のコストが予測しやすく、突発的な修理費用を避けられるため、購入の場合でもカウンター保守契約を結ぶのがおすすめです。
スポット保守契約
月額固定費はなく、故障時に都度修理を依頼して実費を支払います。故障がなければ費用はゼロですが、1回の修理で8万円以上かかることもあるため、予算が読みにくい点がデメリットです。印刷枚数が極端に少ない場合にのみ検討する選択肢です。
保守契約なし(非推奨)
保守契約を一切結ばないことも可能ですが、故障時の修理費用(1回10万円以上の可能性あり)やトナー代(純正品1本1万〜3万円)がすべて自己負担になります。業務用としての運用では基本的に非推奨です。
複合機を購入する際の手順
STEP1:自社の要件を整理する(月間印刷枚数・必要機能・予算・設置場所)
STEP2:複数の販売店に同一条件で見積もりを依頼する(最低3社以上)
STEP3:見積もりを比較する(本体価格+カウンター料金のトータルコスト)
STEP4:販売店を決定し、保守契約の内容も合わせて決める
STEP5:発注・納品日の調整
STEP6:搬入・設置・ネットワーク設定・動作確認
STEP7:固定資産としての経理処理(減価償却の開始)
複合機の購入が向いている企業・向いていない企業
購入が向いている企業
□ まとまった初期費用に余裕がある
□ 7年以上の長期利用を予定している
□ 総支払額を最小限に抑えたい
□ 中古の複合機を安く導入したい
□ 不要になった場合に売却・譲渡したい
□ 年度末の余剰予算を活用したい
購入が向いていない企業
□ 初期費用を抑えてキャッシュフローを守りたい
□ 減価償却や固定資産税の事務処理を避けたい
□ 5年ごとに最新機種に入れ替えたい
□ 保守契約を自分で手配するのが手間に感じる
まとめ|複合機の購入はトータルコストと経理処理を理解した上で判断を
複合機の購入は、リース料率がかからないぶん長期的な総支払額を抑えられる可能性がある一方、まとまった初期費用、減価償却・固定資産税の経理処理、保守契約の自己手配、処分費用の自己負担といったデメリットもあります。「安いから」という理由だけで判断するのではなく、カウンター料金を含めた5年間のトータルコストでリースと比較した上で、自社の資金状況や経理体制に合った導入方法を選びましょう。
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