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防犯セキュリティ 更新日:  公開日:

UTMの必要性とは?中小企業が導入すべき理由・メリット・デメリットをわかりやすく解説

「UTMは本当に必要なのか」「ファイアウォールやウイルス対策ソフトだけでは不十分なのか」――オフィスのセキュリティ対策を検討する際、こうした疑問を持つ中小企業の経営者やIT担当者は少なくありません。

UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)は、ファイアウォール・アンチウイルス・IPS(不正侵入防止)・Webフィルタリングなど複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器です。セキュリティ専任者がいない中小企業でも、UTMを1台導入するだけでネットワークの入口を包括的に守れるため、多くの企業で導入が進んでいます。

本記事では、UTMの仕組みと主な機能、中小企業にとっての必要性、導入のメリット・デメリット、費用相場、「UTMはもう古い」と言われる背景まで、導入判断に必要な情報をまとめて解説します。

確認したいポイント結論詳細
UTMとは何?複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器ファイアウォール、アンチウイルス、IPS、Webフィルタリング等を1台に集約し、ネットワークの入口で脅威をまとめて防御します。
なぜ中小企業にUTMが必要?専任者不在でも多層防御を実現できるセキュリティ専任者がいない中小企業でも、UTM1台で複数の脅威に対応でき、管理の手間とコストを抑えられます。
UTMで防げる脅威は?不正アクセス・ウイルス・スパム等外部からの不正アクセス、マルウェア侵入、スパムメール、有害サイトへのアクセス、ランサムウェア攻撃などを防御します。
UTMのメリットは?オールインワン・低コスト・簡単運用複数のセキュリティ製品を個別に導入するよりコストが安く、管理画面も一元化されるため運用負荷が大幅に下がります。
UTMのデメリットは?単一障害点・ベンダーロックUTM1台に機能が集中するため、故障時に全セキュリティが停止するリスクがあります。ベンダーを横断した機能選択もできません。
UTMの費用相場は?月額5千~3万円程度アプライアンス型はリースで月額1~3万円、クラウド型は月額5千~2万円程度が目安です。規模や機能で変動します。
ファイアウォールだけでは不十分?はい、防御範囲が限定的ファイアウォールは通信の許可・拒否のみ。ウイルス検知やスパム対策、Webフィルタリングには対応できません。
UTMはもう古いと言われるのはなぜ?クラウド時代の変化に伴う議論テレワーク普及で社外通信が増え、UTMだけでは守れない領域が拡大。ただし社内LANの入口防御としての価値は依然有効です。

この記事でわかること

  • UTMの仕組みと、搭載されている主なセキュリティ機能
  • 中小企業にUTMが必要とされる3つの理由
  • UTM導入のメリット4つとデメリット3つ
  • アプライアンス型とクラウド型の違いと費用相場
  • 「UTMはもう古い」と言われる背景と、現在も有効なケース
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UTMとは何か

UTM(Unified Threat Management)は「統合脅威管理」と訳され、複数のセキュリティ機能を1台のハードウェアまたはクラウドサービスに統合したセキュリティソリューションです。ネットワークの出入口(ゲートウェイ)に設置し、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩をリアルタイムで監視・遮断します。

UTMに搭載されている主なセキュリティ機能は、ファイアウォール(不正な通信の遮断)、アンチウイルス(マルウェアの検知・駆除)、IDS/IPS(不正侵入の検知・防御)、アンチスパム(迷惑メールのフィルタリング)、Webフィルタリング(有害サイトへのアクセス制限)、VPN(仮想専用線による安全な通信)などです。これらの機能を個別に導入すると複数の製品が必要になりますが、UTMなら1台でまとめて対応できるのが最大の特徴です。

中小企業にUTMが必要な3つの理由

理由1:セキュリティ専任者がいなくても多層防御を実現できる

中小企業ではセキュリティ専任者を配置できないケースが多く、総務や経理の担当者がIT機器の管理を兼務していることも珍しくありません。複数のセキュリティ製品を個別に導入・管理するのは現実的に困難ですが、UTMなら1台の管理画面ですべてのセキュリティ機能を一元管理できるため、専門知識がなくても運用が可能です。

理由2:中小企業を狙ったサイバー攻撃が増加している

近年、中小企業を踏み台にした「サプライチェーン攻撃」が増加しています。大企業への攻撃の入口としてセキュリティ対策が手薄な取引先(中小企業)が狙われるケースです。「うちは小さい会社だから狙われない」という認識は危険であり、取引先や顧客の情報を預かっている企業は規模にかかわらずセキュリティ対策が求められます。

理由3:取引先からセキュリティ対策を求められるケースが増えている

大手企業やグループ企業との取引では、セキュリティ対策の実施状況を問われることが増えています。UTMを導入していれば、「ネットワークの入口で統合的なセキュリティ対策を実施している」と説明でき、取引先からの信頼獲得にもつながります。情報セキュリティ対策の実施は、企業の社会的責任としても重要性が高まっています。

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UTM導入のメリット

オールインワンで複数の脅威にまとめて対応できる

UTMの最大のメリットは、ファイアウォール・アンチウイルス・IPS・Webフィルタリングなどの機能を個別に導入する必要がなく、1台の機器でネットワークセキュリティを包括的にカバーできる点です。

個別導入よりトータルコストを抑えられる

セキュリティ製品を機能ごとに個別に導入すると、それぞれのライセンス費用・保守費用・管理工数が発生します。UTMなら1つの製品・1つの契約で済むため、トータルコストと管理負荷の両面で削減効果が期待できます。

導入が簡単で短期間で稼働できる

アプライアンス型UTMの場合、ネットワークのゲートウェイに機器を設置し、基本的な設定を行うだけで稼働を開始できます。既存のネットワーク構成を大きく変更する必要がないため、導入の手間と時間を最小限に抑えられます。

セキュリティパッチやウイルス定義が自動更新される

UTMはセキュリティパッチやウイルス定義ファイルを自動で更新する仕組みを備えており、管理者が手動でアップデート作業を行う必要がありません。常に最新の脅威情報に基づいた防御が維持されるため、更新漏れによるセキュリティホールのリスクを減らせます。

UTM導入のデメリット

UTM故障時にセキュリティ全体が停止するリスク

すべてのセキュリティ機能が1台に集中しているため、UTMが故障またはダウンすると、ファイアウォールやアンチウイルスを含むすべてのセキュリティ機能が同時に使えなくなるリスクがあります。対策として、24時間監視サービスや予備機の準備、保守体制が充実したベンダーを選ぶことが重要です。

ベンダーロックインになる

UTMはすべての機能が同一ベンダーの製品で構成されるため、「ファイアウォールはA社、アンチウイルスはB社」といった機能ごとのベンダー選択ができません。自社に最適な組み合わせを追求したい場合には制約となります。

UTMだけでは守れない領域がある

UTMの守備範囲は主にネットワークの入口です。USBメモリ経由でのウイルス感染や、社外で使用するノートパソコンからのマルウェア持ち込みなど、ネットワーク以外の経路からの脅威にはUTM単体では対応できません。エンドポイントセキュリティ(各端末にインストールするウイルス対策ソフト)との併用が推奨されます。

UTMの費用相場

アプライアンス型(機器設置型)は、リース契約で月額1万~3万円程度が目安です。機器の購入費用は30万~100万円程度で、契約期間は5~7年が一般的です。保守サポート費用が別途かかる場合もあるため、見積もり時に内訳を確認しましょう。

クラウド型は、月額5,000円~20,000円程度が相場で、機器の購入やメンテナンスが不要です。拠点ごとの追加設置が不要なため、複数拠点を持つ企業や、テレワーク環境の保護にも適しています。

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「UTMはもう古い」と言われる背景

一部で「UTMはもう古い」「必要ない」と言われる背景には、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大により、社内LANの外側での通信が増えたことがあります。UTMは社内ネットワークの入口に設置する機器のため、社外のインターネット経由で直接クラウドサービスにアクセスする通信は、UTMの監視対象外になります。

しかし、UTMが不要になったわけではありません。多くの企業では社内LANを経由する通信が依然として存在し、社内のファイルサーバーやプリンターへのアクセスを守る入口防御は引き続き重要です。UTMを「万能な防御壁」としてではなく、ネットワークの入口を守る多層防御の一要素として位置づけ、エンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティと組み合わせて運用するのが現在の最適解です。

サイバーセキュリティ対策の最新情報については、経済産業省 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のウェブサイト(https://www.ipa.go.jp/security/)でも確認できます。

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まとめ

UTMは、ファイアウォール・アンチウイルス・IPS・Webフィルタリングなど複数のセキュリティ機能を1台に統合した「オールインワン」のネットワークセキュリティ機器です。セキュリティ専任者がいない中小企業でも、1台で包括的な多層防御を実現でき、管理の手間とコストを大幅に抑えられます。

サプライチェーン攻撃の増加や、取引先からのセキュリティ要件への対応を考えると、中小企業にとってUTMの必要性は依然として高いと言えます。一方で、UTM故障時の単一障害点リスクやネットワーク外の脅威への限界は認識しておき、エンドポイントセキュリティと併用する多層防御の設計が重要です。

UTMの導入を検討している方は、自社のネットワーク環境と脅威のリスクを整理したうえで、OA機器・セキュリティの専門業者に相談し、最適な構成と費用感の提案を受けてみてください。「まだ何もセキュリティ対策をしていない」という状態が最もリスクが高いため、まずはUTMで入口防御の基盤を整えることが、被害を未然に防ぐための第一歩です。

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