災害時の通信手段を徹底解説|7つの通信手段と平時から備えるべきポイント
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地震や台風、豪雨などの大規模災害が発生すると、電話やインターネットが使えなくなり、家族や職場との連絡が取れなくなるケースは珍しくありません。災害時に通信手段を確保することは、安否確認や避難情報の入手、救助要請など命を守る行動に直結する極めて重要な課題です。
しかし、「災害時にどの通信手段が使えるのか」「事前にどんな準備をしておけばいいのか」を具体的に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。本記事では、災害時に活用できる主な通信手段を網羅的に紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
さらに、災害時の通信手段を確保するために平時から準備しておくべきポイントについても詳しくお伝えします。いざという時に慌てず行動できるよう、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身や家族、職場の防災対策にお役立てください。
災害時に通信がつながらなくなる理由
災害時に電話やインターネットが使えなくなる原因は、大きく分けて「通信の混雑(輻輳)」と「通信設備の被災」の2つです。災害発生直後は、多くの人が一斉に安否確認の電話やメッセージを送ろうとするため、通信回線が処理能力を超える「輻輳」と呼ばれる状態に陥ります。
通信事業者はネットワーク全体の安定運用を守るために通話制限を行うことがあり、その結果、一般の利用者の通話やデータ通信が大幅に制限されてしまいます。また、地震による基地局の倒壊や停電、台風による通信ケーブルの断線など、通信インフラそのものが物理的に被害を受けるケースもあります。
このような状況では通信の復旧に数日から数週間かかることもあるため、災害時に備えて複数の通信手段を事前に確保しておくことが非常に大切です。東日本大震災では通信の完全復旧まで約1週間を要した地域もあり、能登半島地震でも基地局の被災により広範囲で携帯電話が利用できない状態が続きました。
災害時の通信手段は「使えなくなることを前提に」複数のバックアップを用意しておくという考え方が求められます。
災害時に活用できる7つの通信手段
災害時に利用可能な通信手段は複数存在し、それぞれ異なる特性を持っています。ここでは、災害時に活用できる代表的な7つの通信手段について、特徴やメリット・デメリットを解説します。
携帯電話・スマートフォン
携帯電話やスマートフォンは最も身近な通信手段ですが、災害時には通信の混雑や基地局の被災により、通話やデータ通信が制限される可能性があります。特に音声通話は制限を受けやすく、つながりにくい状態が長時間続くことも少なくありません。
一方で、データ通信は音声通話に比べて比較的つながりやすい傾向があるため、災害時にはメールやSNS、メッセージアプリを使ったテキストベースの連絡手段に切り替えることが推奨されています。また、近年はeSIMやサブ回線サービスを活用して複数のキャリア回線を持つことで、一つの回線が使えなくなった場合のバックアップとして備える方法も注目されています。
災害時の通信手段として携帯電話だけに依存しないことが、確実な通信確保のための基本的な考え方です。バッテリー残量を少しでも長く保つために、災害時は不要な通信を控えて省電力モードに切り替えることも意識しておきましょう。
SNS・メッセージアプリ(LINE・Xなど)
LINEやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNSやメッセージアプリは、災害時の通信手段として近年特に注目されています。東日本大震災や能登半島地震の際にも、電話がつながらない状況下でSNSを通じた安否確認や情報共有が大きな役割を果たしました。
LINEの既読機能は、メッセージを読んだことだけで無事を伝えられるため、災害時の通信手段として非常に有効です。テキストデータは音声通話に比べてデータ量が少なく、通信が混雑している状況でも比較的送受信しやすいのがメリットです。
ただし、インターネット接続が完全に途絶えた場合は利用できないため、他の通信手段との併用が必要です。災害時の通信手段として複数のSNSアプリをインストールし、家族や職場の仲間と「最初にどのアプリで連絡を取るか」を事前に決めておくことで、混乱の中でもスムーズに安否確認ができるようになります。
災害用伝言ダイヤル(171)
災害用伝言ダイヤル(171)は、NTTが提供する災害時専用の音声伝言サービスです。「171」をダイヤルし、指定した電話番号をキーにして30秒以内のメッセージを録音・再生できます。災害時に電話が混雑する中でも利用しやすいように設計されており、災害時の通信手段として広く知られているサービスです。
家族で事前にキーとなる電話番号を決めておくことで、スムーズに安否確認ができます。毎月1日と15日に体験利用が可能なため、平時から使い方を練習しておくことをおすすめします。
災害用伝言ダイヤルは災害時の通信手段として広く推奨されていますが、実際に使ったことがある方はまだ少ないのが現状です。平時からの練習が、いざという時のスムーズな安否確認につながります。
災害用伝言板(web171)
災害用伝言板(web171)は、インターネットを通じてテキストで安否情報を登録・確認できるサービスです。NTTの災害用伝言ダイヤルのWeb版として位置づけられており、パソコンやスマートフォンから利用できます。
テキストベースのため通信データ量が少なく、災害時の混雑した通信環境でも比較的アクセスしやすいのが特徴です。また、各携帯キャリアも独自の災害用伝言板サービスを提供しており、災害時の通信手段として複数のサービスを併用することで、安否情報の伝達がより確実になります。
GoogleパーソンファインダーなどのWeb上の安否確認サービスも災害時の通信手段として活用できるため、存在を知っておくだけでも備えになります。
公衆Wi-Fi(00000JAPAN)
00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)は、大規模災害時に通信キャリアや自治体が無料で開放する公衆Wi-Fiサービスです。避難所や公共施設などでSSID「00000JAPAN」を選択するだけで、誰でもインターネットに接続できます。
携帯電話の回線が使えない状況でも、Wi-Fi経由でSNSやメール、情報収集サイトにアクセスできるため、災害時の通信手段として非常に心強い存在です。ただし、暗号化されていないオープンなWi-Fiであるため、個人情報やパスワードの入力には十分注意しましょう。
なお、00000JAPANが利用可能なエリアや避難所の情報は、自治体のウェブサイトやSNSで発信されることが多いため、普段から地元自治体の防災情報発信先をフォローしておくと、災害時の通信手段として公衆Wi-Fiをより効果的に活用できます。
衛星電話
衛星電話は、通信衛星を経由して直接通話やデータ通信を行うため、地上の通信インフラに依存しない通信手段です。基地局が被災したり停電が発生したりしても利用可能であり、地球上のほぼどこからでも通信できるのが最大の強みです。
能登半島地震では、被災地の通信復旧手段としてStarlinkなどの衛星通信サービスが避難所や医療現場で活躍しました。災害時の通信手段としての信頼性は極めて高いものの、端末の購入費用や通話料金が高額であること、屋内では電波が届きにくいことがデメリットです。
企業のBCP対策や自治体の防災体制強化として導入を検討する価値は十分にあり、災害時の通信手段の最終的なバックアップとして位置づけられています。
無線機(トランシーバー・IP無線機)
無線機やトランシーバーは、携帯電話やインターネットに頼らずに通信できる手段として、災害時に非常に有効です。特に特定小電力トランシーバーは免許不要で手軽に使えるため、家庭や地域の防災活動にも適しています。
IP無線機は携帯電話回線を利用するため広範囲で通信が可能ですが、通信インフラに依存する点には注意が必要です。災害時の通信手段として無線機を用意しておけば、携帯電話が使えない状況でも近距離での連絡を確保でき、家族間や自治会内での情報共有に役立ちます。
最近ではデジタル簡易無線など、比較的広い範囲で通信できる無線機も手頃な価格で入手でき、災害時の通信手段として防災意識の高い家庭で導入が進んでいます。
災害時の通信手段を確保するために備えるべき5つのポイント
災害時に通信手段を確保するためには、日頃からの準備が不可欠です。ここでは、いざという時にスムーズに通信できるよう、平時から取り組んでおくべき5つのポイントを紹介します。
複数の通信手段を事前に用意しておく
災害時の通信手段は、ひとつに頼るのではなく複数を組み合わせて備えることが鉄則です。携帯電話だけでなく、SNSアプリのダウンロード、災害用伝言ダイヤルの使い方の確認、可能であればトランシーバーの用意など、異なる種類の通信手段を複数確保しておくことで、いずれかが使えなくなっても代替手段で連絡が取れる状態をつくれます。
家族や職場で「どの通信手段を優先的に使うか」を事前に決めておくことも重要です。災害時の通信手段の優先順位をリスト化し、家族全員が確認できる場所に掲示しておくのも効果的な備えです。
モバイルバッテリーや充電手段を確保する
災害時に通信手段を確保するうえで最も重要なのが、通信機器の電源確保です。停電が長引くとスマートフォンのバッテリーが切れ、あらゆる通信手段が使えなくなってしまいます。
大容量のモバイルバッテリーを常時充電しておくほか、ソーラー充電器や手回し充電器などの非常用充電手段も用意しておくと安心です。スマートフォンのバッテリー消費を抑えるために、災害時は画面の輝度を下げる、不要なアプリを終了する、機内モードを活用するなどの工夫も効果的です。
車のシガーソケットから充電できるカーチャージャーも、自家用車がある方にとっては災害時の通信手段を維持するための有力な電源確保方法です。
災害用伝言サービスの使い方を家族で共有する
災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)は、事前に使い方を知っておかなければいざという時に活用できません。家族全員でキーとなる電話番号を決め、録音・再生の手順を実際に練習しておきましょう。
毎月1日と15日は体験利用が可能ですので、定期的に家族で練習する機会を設けることをおすすめします。災害時の通信手段は「知っているだけ」では不十分で、「実際に使える」状態にしておくことが何よりも重要です。
サブ回線の契約を検討する
主回線のキャリアが通信障害を起こした場合に備えて、異なるキャリアのサブ回線を契約しておくことも災害時の通信手段確保に有効な方法です。月額数百円から利用できる格安プランやeSIMサービスも増えており、低コストでバックアップ回線を持つことが可能になっています。
大手キャリア3社が提供する副回線サービスも月額429円程度で利用でき、災害や通信障害時に他社の回線にワンタッチで切り替えて通信を維持できます。災害時の通信手段としてサブ回線を持つことは、最も手軽かつコストパフォーマンスの高い備えのひとつです。
企業はBCPの一環として通信体制を整備する
企業においては、災害時の通信手段の確保がBCP(事業継続計画)の重要な要素となります。従業員の安否確認システムの導入、衛星電話やIP無線機の配備、クラウド型通信サービスの活用など、通信インフラが被災した場合でも事業を継続できる体制を平時から整えておくことが求められます。
災害時の通信手段を複数確保し、定期的に訓練を行うことで、実際の災害発生時にも迅速かつ確実な情報伝達が可能になります。災害時の通信手段を実効性あるものにするには、計画を策定するだけでなく、実際の訓練を通じて課題を洗い出し、継続的に改善していくことが不可欠です。
まとめ
災害時の通信手段を確保することは、自分や家族の命を守るために不可欠な備えです。携帯電話やSNS、災害用伝言ダイヤル、公衆Wi-Fi(00000JAPAN)、衛星電話、無線機など、災害時に利用できる通信手段は多岐にわたります。それぞれの通信手段にはメリットとデメリットがあるため、単一の手段に頼るのではなく複数を組み合わせて備えることが重要です。
モバイルバッテリーの準備、災害用伝言サービスの練習、サブ回線の契約など、平時から取り組める準備を着実に進めておきましょう。企業においてはBCPの一環として通信体制を整備し、定期的な訓練を通じて実効性を高めておくことが大切です。
災害時の通信手段について正しい知識を持ち、いざという時に確実に連絡が取れる体制を今から整えておきましょう。災害時の通信手段の備えは、日常のほんの少しの意識と行動で実現できます。大切な人の命と安全を守るために、今日からできることから始めてみてください。