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UTMの耐用年数は何年?法定耐用年数と実際の寿命、買い替えの判断基準を解説

UTMの耐用年数を調べると、5年という数字がよく出てきます。ただし、その5年が何を指しているのかは、資料によってばらついています。

実はUTMには、期限が3つあります。税務上の法定耐用年数、機器としての寿命、そしてライセンスの有効期間です。このうち最も見落とされやすく、かつ実害が大きいのが3つ目です。

この記事では、3つの期限を分けて整理し、それぞれが切れたときに何が起きるのかを説明します。すでに導入から数年が経っている方は、自社の機器がどの状態にあるかを確認する材料としてお使いください。

確認したいポイント結論詳細
耐用年数には何種類ある?税務・製品寿命・ライセンスの3つUTMには他の機器にない3つ目の期限があり、これが最も重要になります。
法定耐用年数は何年?5年とされることが多い器具及び備品のうち事務機器及び通信機器として扱われるのが一般的です。
リース年数との関係は?5年契約が多い法定耐用年数に合わせて設定されます。途中解約は原則できません。

この記事でわかること

  • UTMにおける3つの期限の違いと、それぞれの意味
  • 税務上の取り扱いと、リース年数が5年になる理由
  • ライセンスが切れた機器がどのような状態になるか
  • メーカーのサポートが終了した機器を使い続けるリスク
  • 買い替えの判断基準と、更新時に確認しておく項目
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UTMの耐用年数には3つの意味がある

法定耐用年数は税務上の区切り

法定耐用年数とは、資産の取得費用を何年かけて費用計上するかを国が定めた年数です。減価償却の計算に使うもので、資産の種類ごとに決められています。

この年数は、機器が何年動くかを示すものではありません。税務処理を統一するための区切りであり、実際の寿命とは切り離して考える必要があります。

製品としての寿命

機器そのものが物理的に動作し続ける年数です。電源部やファンといった部品の劣化、発熱による故障が原因になります。

設置環境や稼働状況によって差が出ます。24時間動き続ける機器であるため、通気の悪い場所や高温になる場所では寿命が短くなります。

メーカーが公表する保証期間も、寿命を示すものではありません。不具合が起きた場合に無償で対応する期間であり、その期間を過ぎたら壊れるという意味ではない点に注意してください。

UTM特有の期限がライセンス

複合機や電子黒板と決定的に違うのがこの点です。UTMは、機器を買えばそれで完結する製品ではありません。

ウイルスの定義ファイル、攻撃パターンの情報、有害サイトの一覧。これらは日々更新され、ライセンス契約が有効な間だけ機器に配信されます。

つまり、機器が問題なく動いていても、ライセンスが切れれば防御の機能は実質的に止まります。耐用年数を考えるうえで、この期限が最も重要です。

関連記事:UTMの必要性とは?中小企業が導入すべき理由・メリット・デメリットをわかりやすく解説

法定耐用年数の考え方

器具及び備品に分類される

UTMは、減価償却資産の区分でいう「器具及び備品」に含まれます。建物に固定する設備ではなく、独立して使える備品という扱いです。

器具及び備品の中はさらに細かく分かれており、どの細目に当てはめるかによって年数が変わります。この当てはめ方が、資料によって数字が違う原因になっています。

5年として処理されることが多い

実務上は、「事務機器及び通信機器」の区分に含まれるものとして、法定耐用年数を5年とする処理が一般的です。

同じ区分には複写機やその他の事務機器が含まれ、いずれも5年とされています。オフィスに設置して業務に使うネットワーク機器という位置づけで、扱いが揃うと考えるとわかりやすいでしょう。

なお、法定耐用年数を過ぎて帳簿上の価値がなくなっても、機器を使い続けること自体に問題はありません。償却が終わったから買い替えなければならない、という関係ではないためです。

ただし、機器の性格や用途によっては別の細目に当たると判断される場合もあります。実際の処理は、顧問税理士や所轄の税務署に確認してください。

参照:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

取得価額によって処理が変わる

すべての備品を5年で償却するわけではありません。取得価額が10万円未満であれば、購入した年度に全額を費用計上できます。10万円以上20万円未満なら、3年間で均等に償却する方法も選べます。

中小企業者等を対象に、30万円未満の資産を取得年度に全額損金算入できる特例も設けられています。適用期限や年間の上限額が定められているため、利用する場合は最新の条件を確認してください。

なお、設置工事費や初期設定費など、機器を使える状態にするために直接かかった費用は取得価額に含めるのが原則です。本体が30万円未満でも、工事費を含めると超える場合があります。

関連記事:UTMの費用相場と内訳|企業規模別の料金目安・導入方法・コスト削減のコツまで解説

リース契約の年数との関係

5年契約が多い理由

UTMのリース契約が5年で組まれることが多いのは、法定耐用年数と揃えているためです。契約年数と償却期間が一致していると、経理上の管理が簡単になります。

月額の負担を抑えるために7年で契約するという提案を受けることもあります。ただし、期間が長くなるほど総支払額は増え、機器が古くなるリスクも高まります。

特にUTMの場合、7年目にはメーカーのサポートが終わっている可能性があります。契約年数を決める前に、その機種がいつまで支援を受けられるのかを確認しておくべきです。

途中解約は原則できない

リース契約は、原則として契約期間の途中で解約できません。解約する場合は、残りのリース料相当額の一括精算を求められます。

契約年数を決める段階で、この点を理解しておく必要があります。数年後に不要になった、他社に乗り換えたいという状況になっても、支払いは続きます。

再リースという選択肢

契約満了後は、機器を返却するか、再リースで安く使い続けるかを選べます。月額が下がるため、費用面だけを見れば有利に見えます。

ただし、再リースを選ぶ前に確認すべきことがあります。その機器のライセンスがまだ提供されるのか、メーカーのサポートが続いているのかという点です。ここを確認せずに継続すると、費用だけ払って守られていない状態になります。

関連記事:UTM導入の手順と成功のポイント|選び方・設置・運用まで中小企業向けに解説

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リース満了が近い機器がある場合、継続と入れ替えの両方で試算をお出しします。判断の材料としてお使いください。
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ライセンスが切れると何が起きるか

定義ファイルの更新が止まる

UTMは、外部から配信される情報をもとに脅威を判定しています。ウイルスの特徴、攻撃の手口、危険なサイトの一覧。これらは日々更新されます。

ライセンスが切れると、この配信が止まります。機器の中にある情報は、契約が切れた時点で凍結されます。それ以降に登場した脅威は、判定の対象にすらなりません。

見た目は正常に動いている

厄介なのは、外から見て異常がわからない点です。ランプは点灯し、通信は流れ、インターネットも問題なく使えます。

警告が画面に出ていても、管理画面を見る習慣がなければ気づきません。日常業務に支障が出ないため、切れたまま何年も使い続けている環境は実際に存在します。

実質的にただのルーターになる

この状態のUTMは、通信を通す機能だけが残った機器です。ファイアウォールのような基本的な制御は働きますが、中身を検査して新しい脅威を止める役割は果たしていません。

月額を払い続けているのに、守られていない。これが、ライセンス切れの最も現実的な問題です。

契約にライセンス料が含まれているかどうかは、見積書の内訳を見ればわかります。機器のリース料とライセンス料が別建てになっている場合は、それぞれの期限を確認してください。

ライセンスは年単位で更新する形が多く、リース期間の途中で切れることもあります。5年リースだから5年間守られている、と考えるのは危険です。

メーカーのサポート終了というもう一つの期限

脆弱性が修正されなくなる

メーカーは製品ごとに、修正プログラムの提供を終える時期を設定しています。この時期を過ぎると、新たに見つかった弱点があっても修正されません。

ライセンスが有効でも、機器そのものの弱点が残るという点で、これはライセンス切れとは別の問題です。両方の期限を確認する必要があります。

守るはずの機器が侵入口になる

ネットワークの入口に置かれた機器は、外部から見える位置にあります。弱点が公表された機器は、その情報をもとに探索され、狙われます。

守るために置いた機器が、最も狙われやすい侵入口に変わる。サポートが終了した機器を使い続けるということは、この状態を受け入れることを意味します。

弱点の情報は公開されるため、攻撃する側にとっては探す手間もかかりません。特定の企業を狙うのではなく、該当する機器を無差別に探す手口が一般的です。

統計が示している現実

警察庁の集計によると、令和7年上半期に報告されたランサムウェアの被害は116件で、半期の件数として過去最多に並びました。同期の中小企業の被害は77件で、こちらも過去最多です。

注目すべきは経路です。感染経路が判明した事案の大半が、VPN機器やリモート接続を経由していました。不審なメールによるものはごくわずかです。

つまり、実際の被害の多くはネットワーク機器そのものを入口として起きています。古い機器を使い続けることのリスクは、抽象的な話ではありません。

参照:警察庁「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

製品としての寿命

ハードウェアの故障

UTMは24時間365日、電源を入れたまま稼働する機器です。冷却用のファン、電源部、内部の記憶装置といった部品は、使用時間に応じて劣化します。

設置場所の環境が寿命を左右します。通気の悪いラックの奥、直射日光が当たる場所、ほこりの多い場所では、劣化が早まります。

故障すると通信が止まるため、業務への影響は即座に出ます。予備機の有無や、故障時の対応時間を保守契約で確認しておくべき理由がここにあります。

処理性能が回線に追いつかなくなる

見落とされやすいのがこちらです。導入時は十分だった処理性能も、回線を高速なものに変更したり、従業員が増えたりすると足りなくなります。

通信が遅い原因がUTMにあるという状況は珍しくありません。機能を追加で有効にした結果、負荷が上がって速度が落ちることもあります。

業務に支障が出ているなら、故障していなくても入れ替えを検討する理由になります。

5年前後が一つの目安

これらを総合すると、実務上は5年前後が入れ替えの目安になります。法定耐用年数、リース期間、ライセンス契約の単位がいずれも5年で揃うことが多いためです。

ただし、5年で必ず壊れるわけではありません。判断すべきは動くかどうかではなく、守れているかどうかです。

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買い替えを判断する基準

まず3つの期限を調べる

最初にやることは、自社の機器について次の3点を確認することです。ライセンスの有効期限、メーカーのサポート提供期限、そしてリース契約の満了日。

この3つがわからない状態では、判断のしようがありません。契約書と機器の管理画面、あるいは契約している業者への問い合わせで確認できます。

通信速度と業務への影響を見る

日常的に通信が遅い、ファイルの送受信に時間がかかる、Web会議が途切れる。こうした症状があるなら、処理性能が足りていない可能性があります。

機器を一時的に外して速度が改善するかを試すと、原因の切り分けができます。ただし、セキュリティ機能を外した状態での運用は短時間にとどめてください。

契約更新のタイミングに合わせる

リース満了は、実質的に唯一の見直しの機会です。直前になると比較する時間がなく、そのまま継続するしかなくなります。

満了の半年前から情報収集を始めると、継続と入れ替えの両方で試算を出したうえで判断できます。

なお、機器の納期にも余裕を見てください。受注生産や在庫状況によっては、発注から設置まで数週間かかる場合があります。満了日に間に合わないと、空白期間が生じます。

継続・更新・撤去の3択で考える

選択肢は入れ替えだけではありません。同等の機種に更新する、上位の機種にする、あるいは環境が変わったのでUTMをやめて別の対策に切り替えるという判断もあります。

社外での業務が増えた、社内サーバーをクラウドに移したという変化があれば、必要な対策も変わります。満了時は、機器の更新ではなく対策全体を見直す機会として使ってください。

更新するときに確認すること

現行機と同等でよいかを見直す

導入から5年経てば、従業員数も回線速度も業務の形も変わっています。当時の構成をそのまま踏襲すると、過剰か不足のどちらかになりがちです。

接続する端末の台数、契約している回線の速度、拠点の数、社外で働く人の割合。これらを更新前に整理しておくと、適切な機種を選べます。

設定の引き継ぎ

旧機器で行っていた設定を、新しい機器にどう移すかを確認します。同じメーカーであれば設定を移行できる場合がありますが、メーカーが変わると作り直しになります。

社内で使っている業務システムや、特定の通信を許可している設定があれば、事前に洗い出しておいてください。移行後に一部の業務が使えなくなるという事態を防げます。

旧機器の処分とデータの消去

機器の内部には、通信のログや設定情報、認証情報が残っています。リースであれば返却時の扱いを、購入品であれば処分の方法を確認してください。

設定を初期化してから手放すのが原則です。返却物の消去について、契約上どちらが責任を持つのかも確認しておくと行き違いを防げます。

まとめ|見るべきは動くかどうかではなく守れているか

UTMの耐用年数には3つの意味があります。税務上の法定耐用年数、機器としての寿命、そしてライセンスの有効期間です。この3つを分けて考えることが出発点になります。

法定耐用年数は5年として処理されることが多く、リース契約もこれに合わせて組まれます。ただしこの数字は税務上の区切りであって、機器の寿命でも防御の有効期限でもありません。

最も重要なのはライセンスです。切れても機器は正常に動いているように見えますが、新しい脅威の情報が届かなくなり、実質的にただのルーターになります。月額を払いながら守られていない状態は、実際に起きています。

加えて、メーカーのサポートが終了した機器は弱点が修正されません。警察庁の統計では、ランサムウェアの感染経路の大半がVPN機器やリモート接続経由でした。古い機器を使い続けることは、守るはずの入口を弱点にすることを意味します。まずは自社の機器の3つの期限を確認するところから始めてください。

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