複合機とプリンターの違いとは?機能・費用・選び方をわかりやすく比較
目次
「複合機とプリンター、うちのオフィスにはどちらを導入すればいいのだろう」――オフィス機器の導入や買い替えを検討するとき、この疑問を持つ方は少なくありません。どちらも「紙に印刷する」という点では共通していますが、搭載されている機能、本体サイズ、導入費用、ランニングコストなど、さまざまな面で違いがあります。
自社の業務内容や印刷量に合わない機器を選んでしまうと、オーバースペックで無駄なコストがかかったり、逆に機能不足で非効率な作業が発生したりします。本記事では、複合機とプリンターの違いを機能面・費用面・サイズ面などの観点から整理し、オフィス規模や用途に応じた選び方まで解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 複合機とプリンターの基本的な違いは? | 搭載機能の数が異なる | 複合機はコピー・スキャン・FAX・プリントを1台に集約。プリンターは印刷機能のみに特化しています。 |
| 機能面ではどう違う? | 複合機はオフィス業務を統合 | 複合機はスキャンでPDF化、FAX送受信、認証印刷など業務効率化の機能を幅広く搭載しています。 |
| 費用面の違いは? | 導入コストと運用コストが異なる | プリンターは導入費が安い反面、複合機は1台で複数機器を兼ねるためトータルコストが有利な場合があります。 |
| サイズや設置場所に違いは? | プリンターはコンパクト | プリンターはデスク横にも置けるサイズ。業務用複合機は50~100kg超の大型機で専用スペースが必要です。 |
| インクジェットとレーザーの違いは? | 印刷方式で得意分野が異なる | インクジェットは写真印刷が得意で家庭用に多く、レーザーは高速大量印刷が得意でオフィス向きです。 |
| コピー機と複合機の違いは? | 現在はほぼ同一の意味 | 純粋な複写専用機は現在ほぼ流通しておらず、「コピー機=複合機」と考えて問題ありません。 |
| オフィスにはどちらが向いている? | 業務内容と規模で決まる | コピー・スキャン・FAXを使うなら複合機、印刷のみで十分なら低コストなプリンターが適しています。 |
| 併用するメリットはある? | 用途別の使い分けが効果的 | 全社共有の複合機に加え、部署ごとにプリンターを配置すると業務効率とコストのバランスが取れます。 |
この記事でわかること
- 複合機とプリンターの機能面・費用面・サイズ面での具体的な違い
- インクジェット方式とレーザー方式の特徴と適した用途
- コピー機・複合機・プリンター・印刷機の名称の整理と正しい使い分け
- オフィスの規模や業務内容に応じた機器の選び方
- 複合機とプリンターを併用するメリットと効果的な配置方法
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複合機とプリンターの基本的な違い
複合機(MFP:Multi Function Printer)は、プリント・コピー・スキャン・FAXの4つの機能を1台に集約した多機能機器です。従来は別々の機器として用意していたコピー機、FAX機、スキャナー、プリンターを1台でまかなえるため、多くのオフィスで導入されています。
一方、プリンターはパソコンやスマートフォンなどのデジタルデータを紙に出力する「印刷専用」の機器です。構造がシンプルでコンパクトな製品が多く、操作も簡単です。印刷以外の機能は搭載されていないため、コピーやスキャン、FAXが不要な環境に適しています。
つまり、両者の最も大きな違いは「搭載されている機能の数」にあります。印刷だけで十分なのか、それともコピー・スキャン・FAXも日常的に使うのかによって、どちらを選ぶべきかが変わるのです。
機能面の違いを詳しく比較
複合機に搭載されている主な機能
複合機には、印刷機能に加えて以下のような機能が標準的に搭載されています。
コピー機能は、ガラス面や自動原稿送り装置(ADF)に原稿を置くだけで、紙の資料をそのまま複製できます。会議資料の増し刷りや、免許証のコピーなどに日常的に使われます。
スキャン機能は、紙の資料をPDFや画像データに変換できる機能です。スキャンしたデータをメールで送信したり、クラウドストレージに保存したりすることで、ペーパーレス化や情報共有の効率化に役立ちます。
FAX機能は、電話回線を使って紙の資料を送受信する機能です。取引先とのやり取りでFAXが欠かせない業種も依然として多く、複合機にFAX機能が搭載されていれば、別途FAX機を用意する必要がありません。
さらに近年の複合機には、ICカード認証によるセキュリティ印刷、OCR(光学文字認識)によるスキャンデータのテキスト変換、クラウドサービスとの連携など、業務効率化を支援する高度な機能が搭載されるようになっています。
プリンターの機能
プリンターは印刷に特化しているため、搭載機能はシンプルです。パソコンやスマートフォンから送信されたデジタルデータを紙に出力するのが主な役割で、文書印刷や写真印刷に対応しています。
ただし、近年は家庭向けを中心に「プリンター複合機」と呼ばれる製品も増えており、プリンターにスキャン機能やコピー機能を追加した小型の多機能モデルが1万円台から購入できます。家庭用の「プリンター複合機」と業務用の「複合機」は、同じ複合機でも性能や耐久性に大きな差がある点に注意が必要です。
費用面の違い
導入コスト(初期費用)
プリンターは本体価格が安く、家庭用なら数千円~数万円、業務用の単機能レーザープリンターでも数万円~十数万円程度で導入できます。一方、業務用の複合機は新品で100万~200万円以上するケースが多く、リース契約(月額数千円~数万円)で導入するのが一般的です。
初期費用だけを比較するとプリンターのほうが圧倒的に安価ですが、複合機は1台でコピー機・FAX機・スキャナーの役割もこなせるため、それらを個別に揃える場合と比べるとトータルの導入費用は抑えられることがあります。
ランニングコスト(運用費用)
ランニングコストは、印刷方式や月間印刷枚数によって大きく変わります。業務用複合機はカウンター保守契約を結ぶのが一般的で、モノクロ1枚あたり約2~3円、カラー1枚あたり約15~25円がカウンター料金の相場です。この中にトナー代やメンテナンス費用が含まれている場合が多く、消耗品のコスト管理がしやすいメリットがあります。
プリンターは本体が安い反面、インクやトナーの消耗品費が割高になりやすい傾向があります。特にインクジェットプリンターは、純正インクカートリッジの価格が高く、大量印刷を行うと1枚あたりのコストが複合機よりも高くなることがあります。大容量インクタンクモデルを選べばランニングコストを抑えられますが、印刷速度や耐久性は業務用複合機に及びません。
5年間のトータルコストで比較する
導入コストだけで判断すると、プリンターが圧倒的に有利に見えます。しかし、月間の印刷枚数が1,000枚を超えるような環境では、5年間のトータルコスト(本体+消耗品+保守+電気代)で見ると複合機のほうが安くなるケースが少なくありません。
たとえば、月間3,000枚のモノクロ印刷を行うオフィスで試算すると、プリンターのインク代・トナー代が5年間で数十万円に膨らむのに対し、複合機のカウンター保守契約では保守費込みで同等以下に収まることがあります。導入前には必ず月間印刷枚数を把握し、複数年の総コストで比較検討することが大切です。販売店やリース会社に相談すれば、現在の印刷枚数をもとにしたコストシミュレーションを出してもらえる場合もあるため、積極的に活用しましょう。
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サイズ・設置場所の違い
業務用複合機は本体重量が50~100kg以上あり、専用の設置スペースが必要です。搬入時にはエレベーターや通路の幅を確認する必要があり、設置場所の床の強度も考慮しなければなりません。
一方、プリンターはデスクの上や棚の横にも置けるコンパクトなサイズが特徴で、設置場所に困ることはほとんどありません。家庭用のインクジェットプリンターであれば数kgの軽量モデルも多く、持ち運びも容易です。
オフィスのスペースが限られている場合や、個人のデスク周りに置いて使いたい場合はプリンターが適しています。逆に、複数人で共有して使う場合や、コピー・スキャン・FAXも必要な場合は、設置スペースを確保したうえで複合機を導入するのが効率的です。業務用複合機はネットワーク接続に対応しているため、オフィス内のすべてのパソコンから印刷指示を送ることができ、利便性も高まります。
インクジェット方式とレーザー方式の違い
複合機にもプリンターにも、「インクジェット方式」と「レーザー方式」の2種類の印刷方式があります。この違いは印刷品質やスピード、ランニングコストに直結するため、機器選びの重要なポイントです。
インクジェット方式の特徴
インクジェット方式は、液体のインクを用紙に吹き付けて印刷する方式です。写真や画像の印刷が美しく、色の再現性が高いのが強みで、家庭用プリンターに多く採用されています。本体価格が安く、静音性にも優れています。
ただし、印刷速度はレーザー方式に比べて遅く、大量印刷には向いていません。また、水に濡れるとインクがにじむ場合があるため、ビジネス文書の耐久性という面ではレーザーに劣る点もあります。ただし近年は顔料インクを採用したモデルも増えており、耐水性や文字のシャープさが大幅に改善されています。
レーザー方式の特徴
レーザー方式は、トナー(粉末状の色材)を熱と圧力で用紙に定着させる方式です。印刷速度が速く、大量印刷に強いのが最大の特徴で、業務用複合機のほとんどがレーザー方式を採用しています。
文字や線がくっきりと印刷されるため、ビジネス文書の作成に適しています。水に濡れてもにじみにくく、印刷物の耐久性が高い点もオフィス利用にはメリットです。一方、本体価格はインクジェットより高く、写真印刷の色の再現性はインクジェットに及ばない傾向があります。
印刷方式の詳しい技術情報については、一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)のウェブサイト(https://www.jbmia.or.jp/)でも確認できます。
コピー機・複合機・プリンターの名称の違いを整理
「コピー機」「複合機」「プリンター」という名称は混同されやすいですが、正確には異なる意味を持っています。
コピー機は、紙の原稿をスキャンしてそのまま複写する「複写専用」の機器を指します。しかし、現在は複写機能だけの製品はほぼ流通しておらず、FAXやプリンター、スキャナーなどの機能も搭載した「複合機」が主流です。そのため、オフィスで「コピー機」と呼ばれている機器は、実態としてはほぼ「複合機」であることがほとんどです。
プリンターは、デジタルデータを紙に出力する印刷専用の機器です。紙の原稿を読み取るコピー機能やスキャン機能は搭載されていません。ただし、家庭向けの「プリンター複合機」にはスキャンやコピー機能が付いたモデルもあり、名称だけでは判断しにくくなっています。
機器を選ぶ際は、名称にとらわれず、実際に搭載されている機能と自社の業務に必要な機能を照らし合わせて判断することが大切です。カタログやメーカーのウェブサイトで型番ごとの仕様を確認すれば、その製品がプリンター専用機なのか、スキャン・コピー・FAX対応の複合機なのかを正確に把握できます。
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用途別の選び方
複合機が向いているケース
コピー・スキャン・FAXなどの機能を日常的に使う企業や、複数人で1台を共有して使うオフィス環境では、複合機が最適です。具体的には以下のような場面で複合機の導入が効果的です。
取引先とのFAXのやり取りが頻繁にある場合、会議資料をコピーして配布する機会が多い場合、紙の書類をスキャンしてPDF化する業務がある場合、部署や部門をまたいで10人以上が共有して使う場合などが代表的なケースです。
プリンターが向いているケース
印刷機能だけで十分な場合や、コストを最小限に抑えたい場合はプリンターが適しています。具体的には、個人事業主やSOHO(小規模オフィス)で印刷量が少ない場合、個人のデスク横に置いて手元ですぐ印刷したい場合、写真やデザイン制作など色の再現性を重視する場合などが挙げられます。
プリンターは本体価格が安く、設置スペースも小さくて済むため、導入のハードルが低いのが魅力です。コピーやスキャン、FAXの機能が不要であれば、無理に複合機を導入する必要はありません。
導入前に確認すべきチェックポイント
複合機とプリンターのどちらを選ぶか迷ったときは、以下のポイントを確認してみてください。まず「コピー・スキャン・FAXを月に何回使うか」を把握します。月に数回程度であればプリンターとコンビニのコピーで十分ですが、毎日のように使う場合は複合機を導入したほうが効率的です。
次に「何人で共有するか」を確認します。3~5人程度であればプリンターでも対応できますが、10人以上で共有する場合は、印刷速度や給紙容量の面で業務用複合機が適しています。最後に「月間の印刷枚数」を確認し、5年間のトータルコストを試算して比較しましょう。
複合機とプリンターを併用するメリット
規模の大きなオフィスでは、複合機とプリンターを併用することで業務効率とコストのバランスを最適化できます。
たとえば、オフィスの中心に全社共有の複合機を1台設置し、印刷頻度の高い部署にはサブのプリンターを配置するという運用方法があります。複合機が混み合う時間帯でも、手元のプリンターで急ぎの印刷物をすぐに出力できるため、業務の待ち時間を減らせます。
また、複合機が故障した場合でもプリンターがあれば印刷業務を完全に止めずに済むため、リスク分散にもなります。ただし、台数を増やしすぎると管理コストや消耗品の在庫管理が煩雑になるため、印刷枚数と利用人数を見ながら適切な台数を判断しましょう。
併用を検討する際は、複合機を「コピー・スキャン・FAX+全社の大量印刷」に使い、プリンターを「個人の少量印刷・急ぎの出力」に使うというように、役割を明確に分けておくと運用がスムーズになります。それぞれの機器で使用するトナーやインクの種類が異なる場合は、消耗品の管理体制も整えておきましょう。
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まとめ
複合機とプリンターの最大の違いは、搭載機能の幅にあります。複合機はプリント・コピー・スキャン・FAXを1台に統合した多機能機器であり、プリンターは印刷に特化したシンプルな機器です。
費用面では、プリンターのほうが導入コストは安いものの、大量印刷ではランニングコストが高くなりやすい傾向があります。複合機はリース契約を利用すれば初期費用を抑えられ、カウンター保守契約でトナー代やメンテナンス費をまとめて管理できるメリットがあります。
コピー・スキャン・FAXを日常的に使うオフィスには複合機、印刷だけで十分な環境にはプリンターが適した選択肢です。規模の大きなオフィスでは、両方を併用して業務効率とコストのバランスを取る方法も効果的です。
機器の名称や見た目だけで判断せず、自社の業務内容・印刷量・設置スペース・予算を整理したうえで、最適な機器を選んでください。どちらを選ぶべきか迷った場合は、OA機器の専門業者に相談すれば、利用状況に合わせた最適な構成を提案してもらえます。
なお、複合機は一度導入すると5年前後にわたって使い続けることが多い機器です。目先の価格だけでなく、保守体制やサポート品質、将来的な拡張性なども含めて総合的に判断し、長く快適に使える1台を選びましょう。