複合機の返却はどうする?リース満了後の手続き・返却の流れ・データ消去・満了後の選択肢まで完全ガイド
目次
「リース満了の通知が届いたけど、返却するには何をすればいい?」「返却時にデータ消去は必要?」——複合機のリース契約満了が近づくと、返却に関するさまざまな疑問が浮かんできます。複合機の所有権はリース会社にあるため、満了後は原則としてリース会社に返却する必要がありますが、返却以外にも再リースや入れ替えといった選択肢があります。本記事では、複合機の返却手続きの流れ、返却前に必ず行うべきデータ消去、返却費用の負担、リース満了後の選択肢の比較、返却時の注意点まで、企業担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
複合機の返却とは?基本の仕組みを解説
リース契約で導入した複合機の所有権はリース会社にあります。リース期間が満了すると、ユーザーはリース会社に複合機を返却する義務があります。返却といっても、ユーザーが自分で運送業者を手配する必要はなく、通常はリース会社または販売店が引き取りの手配を行います。
返却が発生するタイミング
| タイミング | 状況 |
|---|---|
| リース契約の満了時 | 5〜7年のリース期間が終了したとき。最も一般的な返却タイミング |
| リース契約の途中解約時 | 残リース料を一括精算して解約する場合。残債の支払いが必要 |
| 新しい機種に入れ替えるとき | 入れ替えに伴い、旧機種をリース会社に返却する |
| オフィスの閉鎖・移転時 | オフィスがなくなる場合。残債の精算が必要になることがある |
返却費用は誰が負担する?
複合機の返却にかかる費用(搬出・運送費用)は、リース契約書の条項によって異なります。多くの場合、リース会社が引き取り費用を負担しますが、一部の契約ではユーザー負担とされているケースもあります。返却時に予想外の費用が発生しないよう、事前にリース契約書で確認しておきましょう。また、新しい複合機に入れ替える場合は、新しい販売店が旧機種の撤去を無料で手配してくれるのが一般的です。
複合機を返却するまでの具体的な手順

STEP1:リース会社から満了通知を受け取る(満了3〜4ヶ月前)
リース満了の3〜4ヶ月前に、リース会社からハガキや書面で「リース満了のお知らせ」が届きます。この通知には、満了日と今後の選択肢(返却・再リース・入れ替え)が記載されています。届いたらすぐに検討を始めましょう。何も返答しないまま放置すると、自動的に再リースとなるケースがあるため注意が必要です。
STEP2:満了後の対応を決定する
返却するのか、再リースするのか、新しい機種に入れ替えるのかを決定します。どの選択肢が最適かは、複合機の状態、カウンター料金の水準、今後の印刷需要によって異なります。複数の販売店から見積もりを取り、比較検討した上で判断しましょう。
STEP3:複合機内のデータを消去する【必須】
返却前に、複合機の内部に保存されているデータ(コピー・スキャン・FAX送受信のデータ)を必ず消去しましょう。データ消去の方法は後述しますが、この作業を怠ると、返却後に機密情報が流出するリスクがあります。
STEP4:アドレス帳・短縮番号を削除する
複合機に登録されている取引先のFAX番号、メールアドレス、スキャン送信先などのアドレス帳データもすべて削除します。アドレス帳には取引先の連絡先情報が含まれているため、情報漏洩防止の観点から返却前の削除が不可欠です。
STEP5:リース会社または販売店が搬出・返却を実施
返却日時を調整し、リース会社が手配した運送業者(または販売店)が複合機を搬出します。搬出前に設置場所の周囲を片付けておき、搬出経路(廊下・エレベーター・階段)の確認をしておくとスムーズに進みます。新しい機種に入れ替える場合は、旧機種の搬出と新機種の搬入を同日に行うのが一般的です。
返却前に必ず行うべき!複合機のデータ消去
複合機にはHDDやSSDが搭載されており、コピー・スキャン・FAXのデータが内部に保存されているため、返却前のデータ消去は情報セキュリティの観点から必須の作業です。
消去すべきデータの種類
| データの種類 | 内容 |
|---|---|
| ジョブデータ | コピー・スキャン・FAX送受信・プリントの一時保存データ |
| アドレス帳 | FAX番号、メールアドレス、スキャン送信先の登録情報 |
| ユーザー情報 | ユーザーID・パスワード、ICカード認証情報 |
| ボックス保存データ | ドキュメントボックスに保存されたファイル |
| 操作ログ | 誰がいつ何を印刷したかの履歴情報 |
| ネットワーク設定 | IPアドレス、Wi-Fi設定、サーバー接続情報 |
データ消去の方法
データ消去は「初期化」だけでは不十分です。初期化はデータの管理情報を消すだけで、データ本体はHDD上に残っている場合があり、専用ツールで復元される可能性があります。安全なデータ消去には以下の方法を使いましょう。
方法1:上書き消去(ソフトウェアによる消去)
複合機の管理画面から実行できる「データ上書き消去」機能を使います。HDDの全領域にランダムなデータを複数回上書きすることで、元のデータを復元不可能にします。米国国防総省方式(DoD 5220.22-M)など、国際的なセキュリティ基準に準拠した上書き消去に対応している機種もあります。消去にかかる時間は30分〜数時間です。
方法2:データセキュリティキットの活用
一部のメーカーでは、「データセキュリティキット」と呼ばれるオプション機能を提供しています。このキットを導入しておけば、ジョブの処理が完了するたびに自動で上書き消去が行われるため、返却時にまとめて消去する手間が省けます。
方法3:販売店・メーカーにデータ消去を依頼する
自分でデータ消去を行うのが不安な場合は、販売店やメーカーに依頼しましょう。データ消去の作業を代行してくれるだけでなく、「データ消去証明書」を発行してもらえるため、万が一情報漏洩に関する問い合わせがあった際にも対外的な説明責任を果たすことができます。
リース満了後の4つの選択肢を比較
| 選択肢 | コスト | メリット | デメリット | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 返却 | 返却費用のみ(無料の場合も) | 複合機が不要になった場合に適切 | 複合機がなくなる | 事業縮小・閉鎖別の手段に切り替える場合 |
| 再リース | 元のリース料の約1/10(年額) | リース料が大幅に安くなる | 故障リスク増カウンター料金据え置き | あと1〜2年のつなぎ特に問題なく使えている |
| 入れ替え(新規リース) | 新たにリース料+カウンター料金 | 最新機種に更新カウンター料金も見直し | 新たにリース料が発生する | 今後も長期利用する最新機能が必要 |
| 買取 | 残存簿価(数千〜数万円) | 所有権が自社に移転する | 固定資産税が発生保守リスクは同等 | 特殊な理由で所有が必要な場合のみ |
最もおすすめは「入れ替え(新規リース)」
多くの企業にとって最も合理的な選択は、リース満了のタイミングで最新機種に入れ替えることです。最新機種は性能・省エネ・セキュリティのすべてが向上しており、入れ替え時にカウンター料金を再交渉できるため、ランニングコストの大幅な削減も期待できます。
再リースは「つなぎ」として有効
再リースはリース料金が元の約1/10まで下がるため、月額コストを大幅に抑えられます。ただし、カウンター料金は据え置きのまま変わらず、故障リスクも高まります。「次の入れ替えまでの1〜2年をつなぎたい」という場合に限って合理的な選択です。
返却はこんな場合に
事業縮小やオフィスの閉鎖で複合機が不要になる場合や、コンビニ印刷やクラウドプリントサービスに切り替える場合は、返却が適しています。ただし、月間印刷枚数がある程度ある企業であれば、返却よりも入れ替えの方が業務効率の面で有利です。
複合機の返却で注意すべき5つのポイント

1. 満了通知を放置しない
リース会社からの満了通知を放置すると、自動的に再リースに移行してしまうケースがあります。再リースの前払い料金が発生した場合、後から取り消しはできません。通知が届いたらすぐに返却・再リース・入れ替えの方針を決め、リース会社に回答しましょう。
2. データ消去を自分で確認する
返却前のデータ消去は、販売店やリース会社に任せきりにせず、自分でも消去完了を確認することが大切です。可能であれば「データ消去証明書」の発行を依頼しましょう。万が一、返却後に機密情報が流出した場合の責任は、データ消去を怠ったユーザーにあるとされる可能性があります。
3. 搬出経路を事前に確認する
業務用複合機は重量が100kg以上あるため、搬出には一定のスペースと経路が必要です。廊下の幅、エレベーターの大きさ、階段の有無を事前に確認し、搬出作業がスムーズに行えるよう準備しておきましょう。エレベーターがない建物の上階からの搬出は、追加費用が発生する場合があります。
4. 新しい機種の搬入と同日に調整する
入れ替えの場合は、旧機種の搬出と新機種の搬入を同じ日に調整するのが一般的です。これにより、複合機が使えない期間をゼロまたは最小限に抑えられます。販売店に相談すれば、搬出入のスケジュールを調整してくれます。
5. 勝手に処分しない
リース契約の複合機の所有権はリース会社にあるため、ユーザーが勝手に処分(廃棄・売却・譲渡)することはできません。無断で処分した場合は契約違反となり、損害賠償を請求される可能性があります。必ずリース会社を通じて正規の手続きで返却しましょう。
複合機の返却前チェックリスト
□ リース会社からの満了通知に回答したか
□ 返却・再リース・入れ替えの方針を決定したか
□ HDD/SSDのデータ上書き消去を実施したか
□ アドレス帳・短縮番号をすべて削除したか
□ ユーザー情報(ID・パスワード・ICカード)を削除したか
□ ドキュメントボックスの保存データを削除したか
□ ネットワーク設定を初期化したか
□ データ消去証明書の発行を依頼したか
□ 搬出経路(廊下・エレベーター)を確認したか
□ 入れ替えの場合、新機種の搬入と同日に調整したか
まとめ|複合機の返却はデータ消去と早めの準備が重要
複合機の返却は、リース満了の3〜4ヶ月前から準備を始めるのが理想的です。返却前に必ずHDD/SSDのデータ上書き消去、アドレス帳の削除、ユーザー情報の消去を行い、情報漏洩のリスクをゼロにしましょう。返却以外にも再リースや入れ替えという選択肢があるため、複数の販売店から見積もりを取り、トータルコストで比較した上で最適な判断をすることが大切です。
株式会社ライドでは、リース満了に伴う返却・再リース・入れ替えのご相談や、データ消去のサポート、最適な入れ替えプランのご提案まで一貫して対応しております。リース満了が近づいている方は、お気軽にお問い合わせください。