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UTMとは?機能や仕組み、メリット・デメリットと導入のポイントをわかりやすく解説

「UTMを導入したほうがよい」と取引先や業者から言われたものの、そもそもUTMが何なのか、よくわからないという方は多いのではないでしょうか。

UTMは、複数のセキュリティ対策を1台にまとめて、会社のネットワークを守る仕組みです。専任のIT担当者がいない中小企業でも取り入れやすい対策として、多くの企業で導入が進んでいます。

この記事では、UTMの意味と仕組み、主な機能、メリットとデメリット、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどとの違い、UTMが必要な企業と導入のポイント、誤解されやすい点までを順に解説します。

まずは、検討時によく出る3つの疑問への答えを表で確認してください。確認したいポイントをクリックすると、該当する見出しへ移動します。

目次

  1. UTMとは
  2. UTMは「統合脅威管理」の略
  3. UTMが注目されている背景
  4. UTMの仕組み
  5. インターネットの出入口に設置する
  6. 外から入る通信だけでなく、外へ出る通信もチェックする
  7. 導入したときのネットワークの構成
  8. アプライアンス型とクラウド型
  9. UTMの主な機能
  10. ファイアウォール
  11. アンチウイルス
  12. 不正侵入検知・防御(IDS/IPS)
  13. Webフィルタリング
  14. アンチスパム
  15. アプリケーション制御・VPNなど
  16. UTMを導入するメリット
  17. 複数のセキュリティ対策をまとめて導入できる
  18. 運用や管理の負担を減らせる
  19. 社内のすべての機器をまとめて守れる
  20. 通信の記録で状況を把握できる
  21. コストを抑えやすい
  22. UTMのデメリットと注意点
  23. UTMが故障するとインターネットが使えなくなる
  24. 通信速度に影響が出ることがある
  25. 社外の端末や内部の脅威は守れない
  26. ライセンスの更新が必要
  27. ファイアウォール・ウイルス対策ソフト・EDRとの違い
  28. ファイアウォールとの違い
  29. ウイルス対策ソフトとの違い
  30. EDRとの違い
  31. UTMが必要な企業と導入のポイント
  32. UTMの導入が向いている企業
  33. UTMを選ぶときのポイント
  34. 導入の流れ
  35. 費用の目安と導入方法
  36. UTMについて誤解されやすいポイント
  37. UTMの導入は法律上の義務ではない
  38. UTMがあればほかの対策が不要になるわけではない
  39. UTMは古い対策というわけではない
  40. まとめ
確認したいポイント結論詳細
UTMとは?複数のセキュリティ機能を1つにまとめたもの「統合脅威管理」の略で、ファイアウォールやウイルス対策などを1台に集約し、社内ネットワークの出入口でまとめて守ります。
UTMでできることは?不正アクセス・ウイルス・危険なサイトを防ぐファイアウォール、アンチウイルス、侵入検知・防御、Webフィルタリング、迷惑メール対策などの機能で、社内の機器を守ります。
UTMのメリットは?対策を一元化でき、手間とコストを抑えられる複数の対策を個別に導入・管理するより、導入や運用の手間を減らせます。IT担当者が少ない中小企業でも取り入れやすい仕組みです。

この記事でわかること

  • UTM(統合脅威管理)の意味と、注目されている背景
  • UTMの仕組みと、ファイアウォールやアンチウイルスなど主な機能
  • UTMを導入するメリットと、知っておきたいデメリット
  • ファイアウォール・ウイルス対策ソフト・EDRとの違い
  • UTMが必要な企業と、選ぶときのポイント・費用の目安

UTMとは

UTMとは、ファイアウォールやウイルス対策など、複数のセキュリティ機能を1つにまとめて、社内のネットワークを守る仕組みです。多くの場合、専用の機器として社内に設置して使います。

UTMは「統合脅威管理」の略

UTMは、英語の「Unified Threat Management」の頭文字をとった言葉で、日本語では「統合脅威管理」と訳されます。「さまざまな脅威への対策を、1か所でまとめて管理する」という意味です。

UTMという考え方が広まる前は、ファイアウォール、ウイルス対策、迷惑メール対策などをそれぞれ別の機器やソフトで導入するのが一般的でした。対策の数だけ製品が増え、設定や更新の管理が大きな負担になっていたことが、UTMが生まれた背景にあります。

本来であれば、不正アクセスやウイルス、迷惑メールなどの脅威には、それぞれ別の製品で対策する必要があります。UTMは、こうした対策を1台に集約することで、導入や管理を簡単にしています。

UTMが注目されている背景

近年、企業を狙うサイバー攻撃は、大企業だけでなく中小企業にも広がっています。情報処理推進機構(IPA)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」の組織編でも、「ランサム攻撃による被害」が1位に選ばれています。

IPAの資料では、ランサムウェアの侵入の手口として、インターネットにつながった機器の弱点を悪用する方法や、意図せず外部に公開されている接続口を悪用する方法などが紹介されています(参考:情報処理推進機構「情報セキュリティ10大脅威 2026(組織編)」)。ネットワークの出入口で不審な通信を止めるUTMは、こうした攻撃への備えとして注目されています。

UTMの仕組み

UTMは、社内のネットワークとインターネットの境目に設置して使います。ここでは、UTMがどのように会社を守るのかを見ていきましょう。

インターネットの出入口に設置する

UTMは、光回線の機器(ONU)やルーターと、社内のネットワークの間に設置するのが一般的です。社内のパソコンやスマートフォン、複合機などがインターネットとやり取りする通信は、すべてUTMを通ることになります。

UTMは、通過する通信をチェックし、安全な通信だけを通し、危険な通信は遮断します。建物の入口に立つ門番のように、出入りするものを1か所でまとめて確認するイメージです。

外から入る通信だけでなく、外へ出る通信もチェックする

UTMは、外部から社内に入ってくる通信だけでなく、社内から外部へ出ていく通信もチェックします。たとえば、社員が危険なサイトにアクセスしようとしたときや、感染したパソコンが外部の攻撃者と通信しようとしたときに、その通信を止めることができます。

導入したときのネットワークの構成

一般的な中小企業のオフィスでは、「光回線の機器 → UTM → スイッチングハブ → パソコンや複合機」という順につなぎます。これまでルーターが担っていたインターネットへの接続の役割を、UTMがまとめて引き受ける構成も多く見られます。

社内のWi-Fiのアクセスポイントも、UTMの内側につなぐことで、無線でつながるスマートフォンやタブレットも同じように守ることができます。

アプライアンス型とクラウド型

UTMには、専用の機器を社内に設置する「アプライアンス型」と、事業者のクラウド上でUTMの機能を利用する「クラウド型」があります。

アプライアンス型は、1拠点のオフィスで通信速度を重視する会社に、クラウド型は、複数の拠点がある会社やテレワークが多い会社に向いています。中小企業では、アプライアンス型を導入するのが一般的です。

UTMの主な機能

UTMには、機種によって違いはあるものの、一般的に次のような機能が搭載されています。

ファイアウォール

ファイアウォールは、あらかじめ決めたルールにもとづいて、通信を許可するか遮断するかを判断する機能です。外部からの不正なアクセスを防ぐ、セキュリティ対策の基本となる機能です。たとえば、社内に置いたサーバーへの外部からの接続を、決められた相手だけに限るといった使い方ができます。

アンチウイルス

アンチウイルスは、通信に含まれるウイルスなどの不正なプログラムを検知して取り除く機能です。メールの添付ファイルやダウンロードしたファイルに含まれるウイルスを、パソコンに届く前に止めます。

不正侵入検知・防御(IDS/IPS)

IDSは不正な侵入や攻撃と思われる通信を検知して知らせる機能、IPSは検知した通信を自動的に遮断する機能です。ファイアウォールでは見分けにくい、正常な通信を装った攻撃にも対応します。

Webフィルタリング

Webフィルタリングは、危険なサイトや業務に関係のないサイトへのアクセスを制限する機能です。ウイルスが仕込まれたサイトやフィッシングサイトへの接続を防ぐとともに、業務中の不適切なサイトの閲覧も抑えられます。

アンチスパム

アンチスパムは、迷惑メールやなりすましメールを見分けてブロックする機能です。ウイルス付きのメールや、取引先を装った詐欺メールが社員に届くのを減らせます。

アプリケーション制御・VPNなど

機種によっては、業務に不要なアプリの通信を制限するアプリケーション制御や、拠点間や在宅勤務の端末と安全につなぐVPNの機能なども搭載されています。自社に必要な機能がそろっているかを確認して選びましょう。

▼関連記事:UTMとウイルス対策ソフトの違いは?守る場所と防げる範囲を比べて解説

UTMを導入するメリット

UTMを導入すると、セキュリティ対策をまとめて強化できるだけでなく、運用の手間やコストの面でもメリットがあります。

複数のセキュリティ対策をまとめて導入できる

UTMを1台導入するだけで、ファイアウォール、アンチウイルス、不正侵入防御、Webフィルタリングなど、複数の対策をまとめて取り入れられます。どの製品を組み合わせればよいか悩む必要がありません。

運用や管理の負担を減らせる

複数のセキュリティ製品を別々に導入すると、それぞれの設定や更新、ログの確認が必要になります。UTMなら、1つの管理画面でまとめて設定・確認できるため、管理の手間を大きく減らせます。

専任のIT担当者がいない会社でも、導入した業者に保守や監視を任せることで、無理なく運用を続けられます。

社内のすべての機器をまとめて守れる

UTMはネットワークの出入口に設置するため、パソコンだけでなく、複合機やネットワークカメラ、タブレットなど、UTMの内側にあるすべての機器を守れます。ウイルス対策ソフトを入れられない機器も守れるのは、UTMならではの強みです。

通信の記録で状況を把握できる

UTMは、どのような通信を止めたのか、どのサイトへのアクセスがあったのかといった記録(ログ)を残せます。定期的にレポートを確認すれば、社内のネットワークでどのような脅威が起きているのかを把握できます。

万一のトラブルの際にも、いつ、どの端末で、どのような通信があったのかを調べる手がかりになります。

コストを抑えやすい

複数のセキュリティ製品を個別にそろえるより、UTM1台で導入するほうが費用を抑えやすいのが一般的です。窓口が1つになるため、保守や問い合わせの手間も減らせます。

▼関連記事:中小企業にUTMは必要?狙われる実態と、国の支援制度を含めた対策の選び方

UTMのデメリットと注意点

UTMは便利な仕組みですが、導入前に知っておきたいデメリットや注意点もあります。

UTMが故障するとインターネットが使えなくなる

UTMは社内のすべての通信が通る場所に設置するため、UTMが故障すると、社内全体のインターネットが使えなくなることがあります。1台に機能を集約していることの裏返しといえます。

故障時にどのくらいの時間で交換や修理をしてもらえるか、代替機を用意してもらえるかを、導入前に確認しておきましょう。

通信速度に影響が出ることがある

UTMはすべての通信をチェックするため、機種の処理能力が足りないと、インターネットが遅くなることがあります。社員数や通信量に対して、十分な性能を持つ機種を選ぶことが大切です。

社外の端末や内部の脅威は守れない

UTMはネットワークの出入口を守る仕組みのため、社外に持ち出したパソコンや在宅勤務の端末は守れません。また、USBメモリから感染した場合など、社内に入り込んだ後の脅威への対応にも限りがあります。

ライセンスの更新が必要

UTMで新しい脅威に対応し続けるには、ウイルス定義ファイルなどを更新するためのライセンス契約が必要です。ライセンスが切れると、UTMを設置していても十分に守れなくなるため、更新を忘れないよう管理しましょう。

▼関連記事:UTMの耐用年数は何年?法定耐用年数と実際の寿命、買い替えの判断基準を解説

UTMの導入を検討している方へ
株式会社ライドでは、社員数やパソコンの台数、ネットワーク環境をお聞きしたうえで、自社に合ったUTMの機種と導入方法をご提案します。
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ファイアウォール・ウイルス対策ソフト・EDRとの違い

UTMとよく比較されるセキュリティ対策に、ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、EDRがあります。それぞれの違いを整理しておきましょう。

ファイアウォールとの違い

ファイアウォールは、通信の送り元や宛先などのルールにもとづいて、通信を許可するか遮断するかを判断する仕組みです。UTMの機能の1つでもあります。

ファイアウォールだけでは、許可された通信に紛れ込んだウイルスや攻撃までは見分けられません。UTMは、ファイアウォールにアンチウイルスや不正侵入防御などの機能を加えて、より幅広い脅威に対応できる点が違いです。

ウイルス対策ソフトとの違い

ウイルス対策ソフトは、パソコン1台1台に入れて、その端末を守るソフトです。一方、UTMはネットワークの出入口で、社内の機器をまとめて守る仕組みです。

守る場所が違うため、どちらか一方ではなく、両方を組み合わせるのが基本です。UTMで入口を守り、ウイルス対策ソフトで端末を守ることで、より確実な対策になります。

EDRとの違い

EDRは、パソコンやサーバーの中の動きを監視し、侵入した脅威を見つけて被害を抑える仕組みです。UTMが「侵入を入口で防ぐ」対策だとすれば、EDRは「侵入された後に素早く対応する」対策です。

テレワークが多い会社や、機密情報を多く扱う会社では、UTMとEDRを組み合わせることも検討しましょう。

UTMが必要な企業と導入のポイント

UTMは、すべての企業に必須というわけではありません。自社の状況に照らして、導入の必要性と選び方を考えることが大切です。

UTMの導入が向いている企業

  • 顧客の個人情報や取引先の機密情報を扱っている企業
  • 社員が数名以上いて、パソコンやネットワーク機器の台数が多い企業
  • 専任のIT担当者がいない、または少ない企業
  • 取引先からセキュリティ対策の状況を確認されることがある企業
  • 複合機やネットワークカメラなど、インターネットにつながる機器が多い企業

反対に、社員が1〜2名程度で、業務のほとんどをクラウドサービスで行っている場合は、まずはパソコンのウイルス対策やOSの更新など、基本的な対策から始めるほうが現実的な場合もあります。

▼関連記事:UTMは必要ない?不要と言われる理由と、導入すべき企業の判断基準を解説

UTMを選ぶときのポイント

UTMを選ぶ際は、守る端末の台数や通信量に見合った性能があるかを確認しましょう。性能が足りないと、通信速度の低下につながります。

あわせて、必要な機能がそろっているか、故障時の対応やサポートの体制、ライセンスの期間と更新費用も確認が必要です。設定や監視を業者に任せられるかどうかも、IT担当者が少ない会社にとっては重要なポイントです。

導入の流れ

UTMの導入は、一般的に次のような流れで進みます。

  • 相談・ヒアリング:社員数、端末の台数、回線、困っていることを伝える
  • 現地調査:今のネットワークの構成や、機器を置く場所を確認する
  • 提案・見積もり:機種、必要な機能、契約内容、費用を確認する
  • 設置・設定:UTMを設置し、通信のルールや各機能を設定する
  • 運用開始:動作を確認し、定期的なレポートや保守の体制を整える

設置の作業は、短時間のインターネットの停止を伴うことがあります。業務への影響が少ない日時に作業を依頼すると安心です。

費用の目安と導入方法

UTMは、リースで導入するのが一般的です。小規模なオフィス向けの機種であれば、月額数千円〜2万円程度が目安で、契約期間は5年程度になることが多くあります。

見積もりを比べる際は、月額料金だけでなく、契約期間中の総額やライセンスの更新費用、保守の内容も含めて比較しましょう。購入・リースによって経理上の扱いも変わるため、あわせて確認しておくと安心です。

▼関連記事:セキュリティソフトの勘定科目は?金額・契約形態別の仕訳と2026年の改正点を解説

UTMの導入費用を知りたい方へ
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UTMについて誤解されやすいポイント

UTMについては、正しく理解されていないまま話が広がっていることも少なくありません。導入を判断する前に、誤解されやすい点を確認しておきましょう。

UTMの導入は法律上の義務ではない

「UTMの導入が義務化された」という説明を受けることがありますが、一般の企業にUTMの導入を義務づける法律はありません。法律で求められているのは、個人情報の漏えい時の報告や、情報を守るための適切な安全管理措置です。

UTMは、その対策を実現するための手段の1つです。「義務だから」ではなく、自社にとって必要かどうかで判断しましょう。

UTMがあればほかの対策が不要になるわけではない

UTMは強力な対策ですが、UTMだけですべての脅威を防げるわけではありません。社外の端末や、人の操作によるリスクには、別の対策が必要です。

UTMに加えて、ウイルス対策ソフト、OSやソフトの更新、社員へのセキュリティ教育を組み合わせることで、会社全体の守りを固められます。

UTMは古い対策というわけではない

クラウドサービスやテレワークの広がりから、「UTMはもう古い」と言われることもあります。しかし、社員の多くがオフィスで働く会社にとって、出入口でまとめて守るUTMは今も有効な対策です。

働き方や会社の規模に合わせて、クラウド型のUTMや、ほかの対策と組み合わせて見直していくことが大切です。

まとめ

UTMとは、ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入防御、Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1つにまとめた「統合脅威管理」の仕組みです。社内ネットワークとインターネットの出入口に設置し、通信をまとめてチェックすることで、社内の機器を守ります。

複数の対策をまとめて導入でき、運用の手間やコストを抑えられる一方で、故障時の影響や通信速度への影響、社外の端末を守れないといった注意点もあります。ウイルス対策ソフトやEDRなどと組み合わせることで、より確実な対策になります。

UTMの導入は法律上の義務ではありませんが、個人情報や機密情報を扱う会社、IT担当者が少ない会社にとっては有力な選択肢です。性能やサポート、総額を確認し、自社に合ったUTMを選びましょう。

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株式会社ライドは、静岡県三島市を拠点に、UTMや防犯カメラ、ビジネスフォン、複合機、法人向け光回線の導入を通じて、オフィスの安全と業務環境の改善をお手伝いしています。セキュリティ対策の見直しもお気軽にご相談ください。
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